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三島「絹と明察」続き



「絹と明察」で気になった部分。


菊乃は、岡野に工場の様子を知らせている。スパイです。

その手紙について。岡野の視点での記述。


手紙の末尾には、東京の男は口先ばかりで冷たくていやだ、などといふ見当はずれのことも書いてあった。また「工場はすべて快調で、何の問題も」なかった。



「東京の男は口先ばかりで冷たくていやだ」の意味するものは何?


有名な川柳に、 


 江戸っ子は 五月の鯉の吹き流し
  口先ばかりで はらわたはなし


江戸っ子ですから駒沢ではない。誰?


菊乃からの手紙は、岡野を通じて「村川」へ行く。

東京の男=岡野でしょう。

はらわた=腹に一物はなし。



「岡野」についての報告と思われます。


ここで岡野のキャラクターに目覚めました。

戦争中、工作員のようなことをしていた感じがする。

物凄く計算高いように見える。

しかし、哲学や文学に関心があり、浪花節的な男「駒沢」に惹かれているところも見える。

最後、菊乃は本当に駒沢に惚れているという、かなりロマンチックな発想をする。

人間関係は「損得(金)」だけという世界にいながら、血も涙もロマンチズムも残っている人物なのですよ、岡野ちゃんは。


そのことを菊乃は村川に報告したのでしょう。

純粋な人間だから「裏切り」はない。

次期社長に使えるってことでしょうか。


この作品、かなり深そう。




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by ukiyo-wasure | 2018-11-06 17:10 | 詩・文芸 | Comments(0)

三島「絹と明察」菊乃は毒婦


三島由紀夫全集〈17〉の残り一作。

長編です。正直、読みたくなかった!

三島の長編は、いざマラソン、いざ山登りみたいな、気合いがいる。

詳しくはこちら。


ウィキ「絹と明察」


「源氏」のスカシが入っている。

いきなり「蜂」が飛んで来たり。


回収されない伏線が、作品の「仕掛け」なのか、「裏源氏」なのか、ややこしい。


ゴーストは源氏鶏太でしょう。

珍しく、もろに「源氏物語」「紫式部」「石山寺」まで登場。



実際にあった労働争議がモデルですが、「金閣寺」と同じように、それは「舞台装置」に過ぎない。


小説内の労働争議は「会社乗っ取り」のために仕組まれたものという設定ですし。


10章に分かれていて、それぞれ視点が違います。


一応は「岡野」という、ハイデッガーを研究し、事業にも成功、女にもモテる。戦争中は「工作員」だったのか。…という「紳士」の視点が中心。


読者「誘導係」でございまーす。


「偶然」を装い、目的の人物に近づく。


この人に「金」を出しているのが「村川」という紳士。


絹の紡績会社の社長「駒澤」が、上記二人の紳士とは正反対の人物。


初めの方で、駒沢は「社長になってからも五時に出社」と言っている。


つまり、創業社長でも、二代目でもなく、元は「工員」だったことが解る。


とにかく、旧字だらけで読みにくい。「三島らしさ」を出そうということでしょうが、はなはだ迷惑。


途中でイヤになりましたが、何とか読了。


全体の状況を俯瞰しているかの「岡野」ですが。

菊乃こそ、その上を行っていると思います。


菊乃は、芸者を止めて駒沢の工場に寮母になった。

一応、駒沢と岡野の両方のスパイ


岡野は「たまたま」を装って現れる自分を、自慢げに語りますが、よく考えると、菊乃もそう

菊乃は、岡野の知らないところで村川か、もっと上の人物と繋がっている感じ。

彼女は「変装の名人」らしいし。

駒沢の妻の病室にやってくる「ヒゲの探偵」は、おそらく菊乃の変装。


いろいろと引っ掛かる伏線は登場しますが、脳梗塞かなにかで倒れた駒沢が岡野のにささやく


「菊乃を始末してくれ」


菊乃は駒沢に付き添って、かいがいしく面倒をみている、にもかかわらず……。


その前に菊乃は、20年付き合った旦那が亡くなり、結構な遺産を相続している。


そんなこんなで、私の推理は「菊乃は毒婦」


では、「絹と明察」という、面白味ゼロの題名の解読。


絹=けん=ドッグ=毒
と=将棋の歩=ふ
明=あか=はか=謀
察=殺


 絹と明察=毒婦謀殺


細かい話ですが「鐘の下の部分の土だけ荒れていた」という、ワケワカメのエピソード。

見ているのではなく「思い出」です。

こうゆうのがアヤシイ!


鐘の下=金の下=金下=きんか
荒れる=ぐしゃ=くし「下く」


「金閣寺」書く=源氏鶏太でしょ。


各章のタイトル全部が、

・駒沢善次郎の風雅
・駒沢善次郎の事業

というスタイル。

「駒沢善次郎」という名前が暗号かと、悩みました。


解りません。

もう一つの考えは「フルネーム」と読む。

と、「売名」にもなるし「うりタロ」=瓜太郎にも。


瓜子姫の男版で、中に「天の邪鬼」が入っているってこと。


操り人形=雇われ社長


駒沢の死後、社長の椅子は「岡野」に回って来る。

コレも結局は「操り人形」ということ?


二三回読まないと解読できないと思う。

でも、二度と読みたくありませーん。


ハードボイルドタッチで書いて欲しかった。



*追記

菊乃がネグリジェを買いに行くシーン。岡野が同行。

岡野太平洋を包むほどのネグリジェなんてあるのかねえ」

菊乃「私はせいぜい琵琶湖ぐらいなんだから」

二人だけに通じるシャレ。

菊乃は太平洋を股にかけて暗躍した女スパイだったのかも。

時は昭和29年。バックの大きな力=「米国資本」


いや待て待て、「海賊」が言いたかったのか。

ゴーストたちはさりげなく「盗人」「強盗」「剽窃」「代書」「代作」「代筆」「幽霊」「吹き替え」「肉体は借り物」などをネタにしていますから。

「雇われ社長」=「操り人形」も、エア作家を暗示?

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by ukiyo-wasure | 2018-11-06 12:48 | 詩・文芸 | Comments(0)

三島「朝の純愛」吹き替え?


変な話です。皆様、どう解釈しましたか。


仲の良い夫婦がいて、子どもがいない。

現在、妻45歳、夫50歳なのですが、

「気持ち」は、出会った当時…妻18歳、夫23歳のままでいる。

二人は、ラブシーンに限界を感じている。

ここまでが、前半「上」。


後半「下」は、

街に出て、それぞれが、若い異性を物色するんだけど、若者の側から書かれる。

自宅に連れて来られ、関係を持つ。


読まないと解らないと思います。

「掌の小説」の「心中」とまでは行きませんが、ナゾナゾみたいな感じ。


肉体と心が別々。「憂国」みたいに、中に鬼か狐が入っているのかとも思いました。


この夫婦、なぜ、肉体が衰えるとマズいのか。

役者だからでしょう。

ベッドシーンに無理が出て来る。

そこだけ「代役」を使うわけです。

声じゃないのに「吹き替え」というらしい。


題名の解読です。

何でこうなるのか解りませんが、


「朝の純愛」「堺駿二(さかいしゅんじ)」をくらべる。

朝=今朝の「さ」
の=下ひ=かい
純=しゅん


最後の「愛」と「二」が違うだけ。

二=「ふ」を棄てて
愛=愛媛の「え」を加える


「ふ」棄、加「え」=吹き替え



堺駿二さんは、ご存知マチャアキさんのお父様。

当時は大変人気があったようです。


調べたら「声優」もやっているみたいなので「吹き替え」なのか。


よく解りません。


一応「堺を作っている大きな家具が〜」とか出てきます。


「中の人」は音楽ネタが入っているので深沢だと思います。











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by ukiyo-wasure | 2018-11-06 01:58 | 詩・文芸 | Comments(0)

「京都まで」三島?


これもキャリアウーマンが主人公。

東京で働いている。

京都に、年下のイケメンの恋人ができる。

ばりばりの仕事出来る系の主人公、この子どもっぽい男にコロッ。

遠距離恋愛で、度々京都に行って逢瀬を重ねる。

端から見ると、どう考えても、マザコンっぽくて、いい歳してアホか!というような男。


彼女が「京都に引っ越そうかな」と言った途端に、男は「逃げ」の態度。

京都に逢いに行くも、迎えにこない。

電話をすると、イイワケぐずぐず……

「ああ、やっぱり……」と彼女。



よくある話です。

これは、物語には仕掛けが見つけられませんでした。

題名もね、いろんな風に解釈できる。

「京都まで」だから「東海道」とか「新幹線」とか。


でね、冒頭に「バ・カ」って出て来る。

とっても意味ありげなのです。


大胆な解釈してみます。

「京都まで」=(東京から)三時間


三時間=みじま=三島


マザコンでガキっぽい男=三島=バカボン



「豊饒の海=臭い芝居」の人なら、このくらいやりそう。


いや、これは「てるてる坊主」の人の気がしてきた。









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by ukiyo-wasure | 2018-11-05 02:22 | 詩・文芸 | Comments(0)

三島「三熊野詣」は三遊亭金馬?


「三熊野詣」についてはこちら。


1965年です。
とくにね、三島自身が書いている部分に注目。



自分の哲学を裏切つて、妙な作品群が生れてしまふのも、作家といふ仕事のふしぎである。

自作ながら、私はこれらの作品に、いひしれぬ不吉なものを感じる。

ずいぶん自分のことを棚に上げた言ひ方であるが、私にかういふ作品群を書かせたのは、時代精神のどんな微妙な部分であるのか? 

ミーディアムはしばしば自分に憑いた神の顔を知らないのである。


この頃になると、漠然と、ゴーストたちの「罠」に気づき始めていたのではって思う。

自身が「解説」することによってハマる罠!



この作品も、「先生」を崇拝する「常子」の視点で、読者を誘導している。

この手法、映画の方では「ガス燈」というらしい。

今風に直すと「懐中電灯」「ペンライト」ってことでしょうか。


全部は解読していませんが、どうも「落語」のメタファー。


不自然すぎるエピソードが多すぎ。


題名の解読から行きます。


「三熊野詣」「三遊亭金馬」を比較します。

いきなり金馬さんが登場するわけではありません。

何かが透けて見える。その何かが、熊野とか弟子とか…落語っぽい雰囲気。



三熊=サンユウと読める。

=の=おなじみの「金」に化ける。


そんなこんなで、こうなりました。



亭=てい=ティーがない
詣=ケイ。余計な物の場合は「棄」です。
詣棄=ケーキ
馬=馬がない=うまかない



三熊野詣=紅茶のないケーキ、ウマかない


なぜ「美味くないか」


ノドのつまり=とどのつまり



三遊亭金馬さん、釣り好きだったようで。

「三遊亭金馬」




ウィキによると、三平さんの奥様、香葉子さんを養女にしている。


「三熊野詣」最大の謎、三枚の櫛を埋めるシーン。

「香」「代」「子」と書いてある。ビンゴでしょ。


熊野とくれば「三枚起請」です。

 櫛=髪に挿し=かみにさし

「さし」=「さしすせそ」で「上す」

上す=状す。文字や言葉で表現するという意味です。

三枚の櫛=三枚、紙に状す=三枚起請

これを「埋め」=うめえ=上手え



さらに行きます。

和歌の先生「藤宮氏」のあだ名が「化け先」化け物みたいな先生ってこと。


ウィキにもありますが、金馬さんのあだ名「やかんの先生」


「化け」=はげ=やかん


藤宮先生の、なで肩で「すが目」は文楽さんのイメージ?

消毒用アルコールを持ち歩くのは「酒飲み」の志ん生師匠?


「道灌」「西行鼓ヶ 」「小言幸兵衛」など、まだまだ隠れたギャグがありそう。

落語好きで、ギャグに自信のある方、ぜひ解読を。

ゴーストは誰か。

「埋め」=「上手え」のセンスと、和歌に詳しいところなど、深沢に一票!



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by ukiyo-wasure | 2018-11-02 14:03 | 詩・文芸 | Comments(0)

三島由紀夫「月澹荘奇譚」ノーベル賞ネタ?



皆さん、このタイトル、読めた?

私は読めなかった。

「げったんそうきたん」

何でワザワザ、こんな題名なんだ!

もう、思いっきりイジワルな解釈しちゃうから!



月=秋=白=はく
澹=たん
荘=しょう
奇=「いろは歌」で「下さ」=傘=さん
譚=たん


 爆弾賞算段=ノーベル賞算段


*奇=上ク=ジョークなら、


「ノーベル賞、ジョークだ」もありか。


「月澹荘奇譚」の詳しくはこちら。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%88%E6%BE%B9%E8%8D%98%E7%B6%BA%E8%AD%9A


老人(勝造)の語りが、「私」という一人称から、時に「勝造は」と三人称になったりする。

だから、真実とも作り話とも、何とも言えない。

まあ、ウソっぽい。つーか、メタファ文学でしょ。

「月澹荘」の主人、二代目侯爵、大澤照茂はじーっと見つめる癖があり、これが性的にも「変態」という話。


じーっと見つめる癖と言えば「川端康成」なわけで。


変態照茂は、老人の話では、断崖から突き落とされ頭を打って死亡。

*まさか「ノーヘル」のシャレじゃないよね。


死体の目がえぐられ、そこにグミが詰められていた。


とまあ、ありえへーん話。


突き落とした女の子は、ワザワザ断崖の下の岩場の水路に下りて来て、そのような行為をしたのか。


まあ、そこは重要じゃない。


作者は「目にグミ」が言いたいだけ。

頭蓋骨の目のところの穴を眼窩(がんか)」という。


がんかにグミ。


がん=岸
か=が
にグミ=ニ(漢数字)グミ=じぐみ=仕組み



 眼窩にグミ=岸が仕組み



当時の総理は佐藤栄作。その前が岸信介。
川端は笹川氏と仲良し。
笹川氏と岸氏はプリズン繋がり。

想像ですが、どうでしょう。1965年だから、谷崎のゴーストもあり得るけど……ちょっと解りません。



グミといえば「掌の小説」に「胡頽子(ぐみ)盗人」がある。

これは谷崎の代筆だと思うけど、全体に「数字」の暗号っぽいのだけれど、はっきり解らないまま。

「グミ」=組=版(印刷の)で「著作権」を盗まれたみたいな悪口じゃないかって思っていた。



さらに、「胡頽子」は、1970年川端のノーベル賞受賞後の講演にも登場

台湾で「源氏物語と芭蕉」という題で話し、内容が活字になっている。


私はこれを読み、川端は「エア作家」と確信しました。


「源氏」も「芭蕉」も裏を読めていないことが解った。



谷崎亡き後ですから、この草稿は一体誰が書いたのか、いまだに不思議。



胡頽子」が登場する部分、引用します。


 杜甫といいますと、昨夜、市長の歓迎の宴で、第一のひれを頂きながら、私は杜甫の詩の一つをしきりと頭に浮かべています。


 明年此の会誰か健やかなるを知らん、
 酔うてグミ(漢字)を取って仔細に見る。


 こうして集っておりますけれども、来年はこのうちの誰と誰が達者に生きているか分らない。酒に酔いながら食卓の上にある小さな赤いグミの実、それをとって仔細にみる、というのであります。



この年の11月に三島事件です。




*追記 

月澹荘奇譚」冒頭で、伊豆半島の下田・茜島から太平洋を望むシーン。

なぜ?というほど「方角」に言及。

「沖を行く貨物船の左舷を西日が白く照らす」というのがある。

ワザワザ「左舷」です。

これって「伊豆の踊子」の船を、下田側から見ているってことでは。


「伊豆の踊子」位置が変!の記事
https://tamegoro.exblog.jp/28033661/
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by ukiyo-wasure | 2018-11-01 01:28 | 詩・文芸 | Comments(0)

三島由紀夫「時計」男はスリ!


「時計」は1967年、「文芸春秋」1月号です。

売春婦の千栄と、そのヒモ男、勉のお話。


大変貧乏クサく、お互いの過去を知らないという、ステキに無頼派な世界。


オボッちゃまの三島が、足を踏み入れたことなど、あるわけのない世界。


「時計」とは、勉がいつも夢中になっているトランプの一人遊び


トランプはジョーカーを抜くと52枚

これを4枚ずつの山にして、時計の文字盤の形に並べる。

山は13ありますから、残り一つは円の真ん中。


全部裏返しです。


まず、真ん中から一枚めくる

コレが3なら、3時の位置の一番下に、表向きに入れる。

3時の位置の上のカードをめくる。

コレが6なら、6時の位置の一番したに表向きに。

これを繰り返して………


三人称の小説ですが、ほぼ「千栄」視点


トランプの遊びを千栄は勝手に「占い」と判断している。


最後まで「行き詰まる」ことなく、全部「表」になればいいと考える。


そっか、最後に13が出ればOKなのね。


と、勝手に解釈する。



ここで、フツーは「ん?」って、思う。



どうやっても、揃うに決まっている。


私は最初、ジョーカーが入っていて、それをめくったらゲームオーバーかなあと思った。


よーく読むと、「時計」というトランプ遊びは、占いじゃない。

「遊び」ですらない。


勉はスリ。指の動きを滑らかにするためのトレーニング。


勉の「手の器用さ」が、さりげなく、所々に出て来る。

とくにカミソリの使い方が素晴らしい。


Google先生によりますと警察の隠語で「掏摸」「とうも」というそうです。


音読みです。


時計の「時」=とう。

計=け=毛=も


トランプの13=Kを印象づける描写にも納得。


中の人は、「剣」や「蘭陵王」とちょっと違うかなあ……。


理系的トリックは、深沢か。


短い作品です。皆様、ぜひ読んでご確認を。




*追記

もっと深読みすると、勉は「スリの見習い」で修行中かも。

「時計」というワードは、一定時間内にトランプをすべて表にするという課題に挑んでいるとも考えられる。

タイムオーバーした時点でストップ。

「スリ業界」の「スリ免許」を得るためのテストが、このゲームと考えると、より深みのある作品。



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by ukiyo-wasure | 2018-10-31 11:14 | 詩・文芸 | Comments(0)

三島由紀夫「蘭陵王」をバッサリ!


「剣」を読むために、全集の「17」巻を借りたのですが、読んでいない作品が入っている。

「絹と明察」など長くて読む気がしない。


「蘭陵王」。ごく短い作品。

「群像」1969年11月号に発表。



「盾の会」のメンバーと富士の裾野で「演習」をしたときの話で「私小説」形式。


これも、ゴーストさんの「罠」ですね。


演習から宿舎に帰って来たところ。引用します。


 その日の演習で汗と埃にまみれたのち、帰営して食べる夕食は美味しく、入浴は快かつた。
 私は全身の汗と泥を、石鹸の泡を存分に立てて洗ひながら、皮膚といふもののふしぎな不可侵に思ひいたつた。もし皮膚が粗鬆であつたら、汗や埃はそこにしみ入って、時を経たあとは、洗い落とさうにも落とせなくなるにちがいない。皮膚のよみがえりとその清さは〜。
ーー中略ーー
 浴室のかへり、空を稲妻が横切った。
 
 
 
そして、部屋に帰る。簡素な部屋の説明。ささくれにヨードチンキを塗る。

そこへ、会員の「S」が訪れ、横笛で「蘭陵王」を吹く。その場には他の会員も四人。


さて、皆様、ここまでで「あれ?」と思ったことありませんか。

全集の付録の冊子で、三島本人が「私小説」と言っている。




 食事の前に風呂でしょ!




題名の解読いきます。


 蘭陵王=乱寮法


汗と埃まみれのまま食事とか、寮のルールを乱しちゃダメじゃん。




ラストが意味深です。

 又Sは、何時間もつづけて横笛を練習すると、吐く息ばかりになるためであらうか、幽霊を見るさうだ、といふ話をした。
 君は見たか、と私は問うた。
 いや、見たことがない、幽霊を見れば一人前だと言はれているが、まだ見たことがない、とSは答へた。
 しばらくしてSは卒然と私に、もしあなたの考へる敵と自分の考へる敵とが違っているとわかつたら、そのときは戦はない、と言つた。



「幽霊」、確かに見えます。正体は、開高健?




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by ukiyo-wasure | 2018-10-31 00:25 | 詩・文芸 | Comments(0)

三島由紀夫「剣」主人公の死因


明け方までかかって「剣」を解読しました。

「憂国」「英霊の聲」とこの作品は、ナントカ三部作といわれているようで。

「ダンス・ダンス・ダンス」のある章が、直木賞の某作品のことではないかとなって、それが開高の代筆だろうってなったのね。

それで村上龍「ペンライト」が気になり、というのは「ダンス・ダンス・ダンス」に、キーワード的に「ペンライト」が登場するからなんだけど……。

西村賢太さんの作品「膣の復讐」が、ゴーストの開高が「剣」で復讐したみたいに読めたし。


はい、どんな話かはこちら↓

「剣」


いやあ、スゴい感動しました。ゴーストさんの意地!を見ました。


散々に「裏源氏」のスカシと書いて来ましたが、まず「剣」というタイトル。

ゴースト氏の名に掛かってもいるのでしょうが、「源氏物語」最終章の「夢の浮橋」「剣」


読んで行くとピーンと来る。


源氏の55アイテムを入れているなって。

ところが、じつに開高な文体で、「熊笹」=熊=「椎本」とかは解りやすいし、「田子(地名)」=タコ=「明石」はまだいい。


剣道の練習の描写で、

彼が正上段に構えるとき、剣は彼の頭上に大きな威嚇する角のようにそそり立ち、夏空の入道雲のような旺んな気が天に冲して見える。ーー中略ーーそれが撃ち下ろされるとき、空は二つに裂け、こちらの頭上を襲うのは、空のその一瞬の黒い裂け目だ。


うわあ、「雷」=「藤裏葉」か!



ということで、最後に残るのが「急死」=「夕霧」。


「夕霧」が意味する急死は、突然死や野垂れ死になどです。


自殺ではありえませーん!


でも、解るわけないよね。




ちなみに、主人公を捜索するときの「懐中電灯」=「篝火」

これが「ペンライト」に通じているんだろうって納得。





*追記

「その二」のラストに、こんな意味深で恐い記述。


ーーかうして彼はかずかずの詩の罠の中を、それと知らずに、悠々と通り抜けた。すなはち、血に濡れた鳩と、森の日ざしと、勝利者の頬にゆくりなくも飛び散った返り血と、深い藍いろの稽古着と、枯れた百合と、これらのものが寄ってたかって、彼のために用意した罠の中を。

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by ukiyo-wasure | 2018-10-29 12:07 | 詩・文芸 | Comments(0)

本当はグリムより恐い「貫多シリーズ」(4)


「痴者の食卓」です。

「小説現代」2015年1月号。



初めは、三島由紀夫の「豊饒の海」の「暁の寺」について書いていると思った。

「豊饒の海」は「春の雪」しか読んでいません。

開高健の代筆だと思っていますが、なにしろガチガチのあの文体ですから、超疲れる。

「奔馬」も買ってはあるですが、読む気になれない。

一応、題名だけ解いてみてはあった。

「暁の寺」=「ばか・撞き・下ね・テンプル」

 バカボン・こめかみ=バカボンこめ下み=バカボンごめん

バカボンとは三島のこと。

この時点では、みんなでからかっている雰囲気で、まさかあんなことをするとは思っていなかったのでしょう。



「痴者の食卓」が「バカのテーブル」「バカのテンプル」「バカのごめん」……こんな感じかなあって思っていた。



電気の「すき焼き鍋」が、いくら洗っても臭いという話です。

お約束通り、秋恵さんとブチ切れ暴力沙汰。

「豊饒の海」が「臭い芝居」ですから、それで納得していた。



大間違いでした。

「絶歌」のことですね。


「絶歌」に不思議な描写がある。

叔母さん二人が面会に来て「ごめんね」とAに謝る

Aは「なんで?」って思う。

読んでいるこっちも「なんで?」となった。


「絶歌」は、三島のような過剰装飾の文体、「火花」のような軽い文体、それと「超臭い」文体が混じっている。

身元引受人のYさんの家で「すき焼き」をするのですが、そこらへんから臭いはじめる。

ゴーストさんが「商品」として書いている前提だと、堪えられないくらい恥ずかしくなる。

「自分を信用してくれているのだ」「世界は美しい」とか、「ジーンと来る感じ」の押しつけ



「臭いすき焼き鍋」は、このことだなとピンときました。


題名を解読します。

なぜ「愚者」ではなく「痴者」なのか。

気づくべきでした。

谷崎に「痴人の愛」がある。「痴人」=天地人の「天」がないと解釈しました。


痴者=痴捨で、天人が残る。
=下ね=金=
食卓=テーブル=テンプル=こめ下み=ごめん

*最後、秋恵さんの「側頭部(こめかみ)」を殴っている。


痴者の食卓=天人きごめん


お解りでしょうか。天人き=転失気(てんしき)

落語でおなじみ、転失気=屁

Aが盲腸の手術をする場面がありました。

落語でも「転失気、出ましたか」は医者が言いますね。


痴者の食卓=屁ごめん

鍋がいくら洗っても臭いのは、貫多のすかしっ屁?

そんなバナナ。


私の読みでは「屁」=エ=A。

「暁の寺」のバカボンの部分をAに入れ替えた。


痴者の食卓=Aごめん(臭いこと書いちゃって)



「絶歌」の口絵に、幼児期のAがおばあちゃんの膝に抱かれている写真がある。

本文でこの写真に触れている。

目に光がないとか。つまりキャッチアイのことです。

この写真を載せるという前提で書いたことがわかる。

Aがペーパークラフトに凝って、カッターで細かい作業をする場面が出て来る。
 
さらに「コラージュ」というワード。


もうねえ。そこまで書かれたら、写真をじーっと見ちゃうでしょ。

気のせいか、子どもの顔の輪郭、とくにアゴ。

貼付けたような黒い線が見えてきたのでした。


かなり恐くなってきたでしょ。

残り2作もゴーストが出て来る話で、もっと恐い。

乞う、ご期待。






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by ukiyo-wasure | 2018-10-04 22:20 | 詩・文芸 | Comments(0)