芥川「鼻」と「アナログ」


「根津権現裏」といい、三島「好色」といい、芥川「竜」も、何でこんなに「鼻」にこだわるのか。


志賀直哉の陰でのあだ名が、どうも「鼻」「天狗」ぽい。

私が思うに、この人は「エア文豪」。自分ではほとんど小説を書いていないと思う。

才能のある作家は皆貧乏で、代作をしていたのではと思う。

こういう場合、「根津」の宮部のように、人の作品を自分の手柄にする「鼻持ちならない奴」となる。


で、ズバリのタイトル、芥川の「鼻」を読んでみました。


この「鼻」は天狗やピノキオタイプではございません。

「垂れている」のです、口の下まで。

つまり「象タイプ」です。

高位の坊さんなのですが、弟子が「鼻を短くする方法」を聞いてくる。

さっそく試します。

熱湯で茹でて、よく踏みつけて、毛穴の芯のようなものを毛抜きで抜く。

もう一回茹でる。と、普通の鼻になる。

喜びも束の間、逆に笑われる。

最後はもとの「ゾウ鼻」に戻って終り。


これをね、志賀直哉のことだと思って読むとどうなるか。


「熱湯で茹でて、よく踏みつけて、毛穴の芯のようなものを毛抜きで抜く」


これって、着物のシラミ取り?

シラミについては「源氏」でも「細雪」でも調べました。

別名がキササやキサシ

さて、鼻はどう見てもゾウ

 

  象=きさ=気障(きざ)



シラミも、キサシ=気障(きざ)氏



ここで、ハッ!

「アナログ」をはなから「鼻ロング」と読んでしまった私。

武さんのお母さんは「さきさん」で、転んだ描写から「きさ」

タイトルは「象」を表している?

と思ったけれど、「悪夢」を食べる=バク?と混乱してしまった。


  アナログ=鼻ロング=象=キザ


これでしょ。


よく考えれば「純愛」とか、キザ以外の何ものでもない!!





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# by ukiyo-wasure | 2018-08-14 21:27 | 詩・文芸 | Comments(0)

「掌の小説」の「バッタと鈴虫」と藤澤清造


「バッタと鈴虫」は、大変に意味深な作品です。


夜の草むらで、子どもたちが虫採りをしている。

各自が手作りの提灯を持っていて、その提灯というのが、自分の名前を切り抜いてあって、着ている浴衣等に文字が映るのです。

そんな様子を眺めている男の視点で描かれている。

「互いの着物に、名前が映っていることを、本人たちは知らない」と語る。

これを私は、「代筆」している谷崎が、たとえば川端と三島の作品に「同じ名前」を登場させていることに、本人たちは気づいていない。という意味だと思っていました。

実際に「芳子」とか使われていますし。



が、ここに来て「根津権現裏」が「昆虫」です。

バッタも鈴虫も出て来ます。

「根津権現裏」は1922年。「バッタと鈴虫」が1924年の作品。


「バッタと鈴虫」のメインの少年少女の名前が、なんと、



 不二夫とキヨ子



どうゆうこっちゃ!



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# by ukiyo-wasure | 2018-08-14 02:00 | 詩・文芸 | Comments(0)

藤澤清造「根津権現裏」51章からラストまでの虫たち。


最後です。

51 カンタン
52 オンブバッタ
53 ムシヒキアブ
54 ゾウムシ
55 ワラジムシ
56 アメンボ
57 ヨトウガ
58 キクイムシ
59 ゴカイ



52章の「オンブバッタ」が面白い。

オンブバッタは大きな雌に小さな雄が乗っています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/オンブバッタ

つまり、二匹はツガイ

引用します。

はな耳を通して入ってきた岡田の兄の言葉が、もう暫くすると、私の頭の中へ集まってきた。かと思うと突然爆発してきて、見るみる中に、私の頭を焼いてしまったのだ。


ツガイを漢字で書くと「番」。バン!Bang!



一番悩んだのが最終の59章です。

ラスト、引用します。

流れおちてくる膿汁の音と一緒になる刹那に、黒く、そして、鉛のようになって固まって行くのが、はっきりと私には、目にするように感じられてきた。私は何時までも何時までも、其のままに凝としていた。ーー悲しくもまた、恐ろしい最後の日を待つもののようにして、私は何時までも何時までも、其のまま凝としていた。

*凝と=じっと


主人公は脚が痛い。貧乏で治療費がない。いずれ腐ってしまうのか。自分も岡田と同じ運命を辿るしかないのか……。


もう、悲惨で可哀想で、目頭ジーン。

という人も多いと思いますが、ワタクシは、

ワッハハハ! 大笑いしちゃいました。

もう、清造さん、最高!



釣針を身体に刺されて、海中に垂らされたゴカイさんの気持ちになって、読み直してみてね。針を刺すと「汁」も出る。

最後の日=魚がパクッ。


確かに、可哀想ではある……。

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# by ukiyo-wasure | 2018-08-14 01:18 | 詩・文芸 | Comments(0)

藤澤清造「根津権現裏」42章〜50章の虫たち


ここまで来ますと、こりゃあコメディだろ!

前に読んだ時、何で気づかなかったのか。

友人の岡田が毎日やって来て、布団の中に入って来て「泣く」。

なんちゅう、だらくさいこっちゃいね!

フザケテルでしょ。

誰がって、作者、清造どんでーす。


と、ゆうわけで、42〜50。


42 コメツキ(バッタ) これ、どっちか解りません
43 腹の虫(回虫)
44 ナメクジ
45 ハサミムシ
46 ヒメギス
47 ユスリカ
48 ツツガムシ
49 トノサマバッタ
50 カネタタキ



50章の「カネタタキ」ですが、坊ちゃんである宮部の悪口炸裂。


カネタタキ=鐘たたき=ボーン=

M島=天才バカボンを思い出しました。

西村賢太さんはよく「お利口馬鹿」と書いていますが……。


宮部がどうしても志賀直哉とかぶります。



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# by ukiyo-wasure | 2018-08-13 00:03 | 詩・文芸 | Comments(0)

藤澤清造「根津権現裏」第41章の「覚醒剤」


第41章で気になった表現があります。

この章は「コロギス」という、キリギリスとコオロギを合体したような昆虫を表しています。


この虫、初めて知りました。

じつは、パズル誌は女性の読者が多く、とにかく虫はキモい!という人が多いので、ネタにしないようにといわれてきました。

だから調べる機会がなかったのだと思います。



岡田が「僕は、死ぬんだ。僕は死ぬんだ」とグズグスと泣く。

これがキリギリス状態。


 キリギリス=二切す=自切す=自殺す



最後に、態度がコロッと変わる。コオロギになるのです。

その様子、引用します。

すると彼は、まるでそれが覚醒剤ででもあったように〜



1922年(大正11年)の作品です。

「細雪」で覚醒剤は「隠せ委細」でした。


そのときに、「覚醒剤」という言葉はいつからあるのか疑問でした。


ウィキによると、

 日本では、1941年(昭和16年)、大日本製薬(現大日本住友製薬)がメタンフェタミン製剤ヒロポン、武田薬品工業がアンフェタミン製剤をゼドリンとして市販された。ヒロポンの効果や売上げはゼドリンよりも大きかった。

https://ja.wikipedia.org/wiki/覚醒剤#歴史


ヒロポン以前に「覚醒剤」と呼ばれていたのは何なの?


この章の「覚醒剤」は原料の「麻黄(マオウ)」=魔王にひっかけて、

エンマコオロギを導いています。


いずれにせよ、大正時代に「覚醒剤」と呼ばれていた薬物があったという証拠発見!でーす。



追記 2018.8.15

で、ここからヒロポンとして発売するまでに、臨床実験を繰り返したと思いますが、どーゆう人たちが実験台になったのでしょう。
兵隊さん?深夜勤務の労働者?芸人や作家は?

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# by ukiyo-wasure | 2018-08-12 15:19 | 詩・文芸 | Comments(0)