2018年 09月 10日 ( 2 )

芥川「手巾(ハンケチ)」は女装した本人


「送り火」は、いまいちスッキリ解読できていません。


なので、口直しに芥川の「手巾(ハンケチ)」

24歳の作品です。

博覧強記!!キレッキレの才能。

長生きして欲しかったなあ。


夏の夕刻大学の教授のところに、40代の婦人が訪れる。

西山篤子という女性。

教授は、ちょうど演劇関係の本を読んでいた。

婦人は、教授の教え子で、腹膜炎で入院中の、西山憲一郎の母親だった。

言われてみると「瓜二つ」

婦人は息子が亡くなったことを告げる。

昨日が初七日だという。

教授は、婦人が淡々と語りながら、テーブルの下のハンケチを握った手が震えているのを偶然に見る。

武士道だなあ……と、感銘を受ける。

そのことを、夕食時に奥さんにも話して聞かせる



さてその後です。

演劇関係の本の続きを読み、愕然となる。

「ハンカチを引き裂く」悲しみの表現は、定番で「臭い」ものであるという記述を読んだから。




解説が中村真一郎って人。

この世にいらっしゃらないので、言っちゃいますが、

読めてないでしょ!!!


大学生の男と、40代の女性が「瓜二つ」って、

ありえへーん!!


これは、絶対本人が女装してるでしょ。


夕暮れ時の薄暮の中だし……

亡くなったらすぐに連絡くるでしょ、普通。


最大のヒントは「梅幸」という歌舞伎役者のエピソード。

女形で活躍した人。
https://ja.wikipedia.org/wiki/尾上梅幸_(6代目)



皆さん、ぜひ読んでみてください。


母親を装った香典目当ての詐欺師とかではなく、

本人というのがスバラシイ!

大胆さに才能を感じます。

これ、コントにしたら楽しいだろうなあ。

[PR]
by ukiyo-wasure | 2018-09-10 03:31 | 詩・文芸 | Comments(0)

高橋弘希「送り火」すべては芝居?


「指の骨」=地縛霊
「朝顔の日」=不安神経症
「スイミングスクール」=近親相姦(兄妹)
「短冊流し」=食品アレルギー(蕎麦)


ということで、高橋弘希さんの作風が解りました。


で、「送り火」に戻って再読しました。

「送り火」一読目の感想はこちら。
https://tamegoro.exblog.jp/28618023/


主人公の中学三年生

青森の廃校になる学校に転校してくる。

男女6人ずつ12人のクラスに加わる。

女子はほとんど登場しない。

6人の男子+歩の話。

晃というリーダー格がいて、稔という肉屋さんの子をいつもいじめている。

それが、首を締めたりと極めて危険&残酷。また、ナイフを万引きしたりもする。

夏休みに、腕に彫りの入った先輩たちに呼ばれて、選ばれたが、
森の中で残酷な遊戯をさせられる。

この場にいたも、刃物で斬りつけられ殺されそうになる



三人称ですが、すべて歩の視点です。


という少年が大変危険な人物として描かれている

でも……銭湯では男の子(弟?)の身体を洗ってあげたり、いい子の場面もある。

稔も、散々にいじめられているのに、一緒に歩の家に来たり仲良しの感じ。


このあたりが、引っ掛かる。

作者の「仕掛け」だなって。



歩の一家ですが、父は商社マンで全国を転勤して回っている。

歩は協調性があり、転校先ではすぐに馴染むらしい。

妻(歩の母)は、近所づきあいか苦手で、嫌がらせをされたこともあるらしい。

ふむふむ。


商社マンが、山奥で何もない過疎の集落に、何をしに来たのか

「開発」のための「調査」かと思う。

ゴルフ場とかリゾート開発。

それで、も、転校先で「スパイ」のような役目を担ってきたのではと思われる。

クラスにとけ込むのは早いが、少年らしい会話…音楽とか芸能人の話しは「何年も」したことがないと出て来る。

深読みすると、「歩」という主人公が、だんだんと「イヤな奴」に思えてくるのです。


そんなこんなで、


第三中学の最後の卒業生たちは、商社マン一家が引っ越して来ると事前に知り、とくに、何十年も美味しいコロッケを作ってきた、稔の精肉店を守ろうと、大芝居を計画したのではないか。


最後の残酷シーンも、血糊やらなにやらを準備した芝居だと思います。


歩のケガだけは本当でしょう。


ラスシーンの燃やされる藁人形三体を、歩は自分たち家族と重ねて見たのでしょう。


「ねじまき鳥クロニクル」の意味は、芭蕉が隠密(スパイ)だと言われているから?



と、感想文レベルですが……。



*追記

「スパイ」と書きましたが、本人は無自覚だと思う。
ガキなんですよね。
虫も植物も…健康とか、寝ぼけたことを言っている。
「農薬」を知らないのか!

虫にやられた稲が出て来ます。
もしかすると「晃」の家は「無農薬」農業を目指しているのかも。

ゲームでの不正、死ぬかもしれない場面、これは「試された」のだと思う。

場の空気や人間関係を「読む」のにだけは長けているけど、物を知らない。パパママの「いい子」ちゃん。

ま、いけ好かない奴という結論でしょう。

大人の世界にも大勢、というかほとんどですが、

「義を見てせざる、勇なきなき方々」


「何イカサマやってんだよ」と言っていれば、友情が芽生えたはず。



*もう一つ伏線。

クラスの演劇ですが、散々の出来。
昨年、一昨年は素晴らしい出来と校内新聞に書かれた。

つまり、晃たちは「演技力」が素晴らしいってことかと。


[PR]
by ukiyo-wasure | 2018-09-10 00:50 | 詩・文芸 | Comments(0)