2018年 08月 27日 ( 3 )

芥川「あばばばば」赤面の理由


題名は赤ん坊をあやす言葉です。

おなじみの保吉が主人公。

ある雑貨屋、タバコ、マッチ、輸入品のココアや缶詰なども置いている。

主人は無愛想。小僧さんが一人いる。

保吉はここの常連だが、主人が無愛想なので世間話などはしない。

ある時、若い女性(店主の妻)が接客するようになる。


「朝日を二つくれ給え。」
「はい。」
 女の返事は恥ずかしそうである。のみならず出したものも朝日ではない。二つとも箱の裏側に旭日旗を描いた三笠である。

ーー中略ーー

「朝日を、ーーこりゃあ朝日じゃない。」
「あら、ほんとうに。ーーどうもすみません。」


こんな風な対応が度々あって、いつも女は頬を赤らめる

薫製の鯡(にしん)をくれと言った時には、もう真っ赤になった。


彼女の姿が急に店から消え、二ヶ月後に戻って来たときには「赤ん坊」を抱いている。

赤児をあやしながら「あばばばばばば、ばあ!」

保吉と目が合う。

また頬を赤らめるだろうと思っていると、平然と澄ましている

保吉は思う。


女はもう「あの女」ではない。度胸の好い母の一人である。


ということで、読まないと解りにくいと思いますが。



・女性は保吉に対応するとき、なぜ頬を赤らめるのか

母になったら、なぜそれがなくなったのか。


答えは題名にあります。


「あばばばば」=あ・2「ばば」=はツージョーカー


 発条(ばね)か=スプリングか=春画



この店では裏で「春画」を売っていた。

「朝日」「ココア」「マッチ」などは隠語?

「鯡の薫製」かなりエロいと思われます。


ヒントは「玄米珈琲」を「ゼンマイ珈琲」と聞き間違える。

ゼンマイ=バネ。わざとらしーっ。

それと、悪魔が乗り移るとか、天使が上から見ているとかが出て来る。


日本では「春」と呼ばれているこの絵のイメージかと。
https://ja.wikipedia.org/wiki/プリマヴェーラ



「春画」を買いに来る客に、恥ずかしくて赤面していたけど、母になったら全然平気。

こういうことでしょう。



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by ukiyo-wasure | 2018-08-27 23:19 | 詩・文芸 | Comments(0)

「磯の鮑の片思い」何で磯?


前の記事で「スリ」について考えていたら、ふと、こんな疑問。

「鮑の片思い」万葉集にもあるらしい。

二枚貝と違って「パートナー」がいませんから、意味は解る。


「磯」がつくと、確かにゴロがいい。

けれど、岩でも、伊勢でも、浜でも意味は変わらない。


ずっと、何の疑問も持たずにクロスワードにも使って来ました。


スリ=巾着切りです。


芭蕉の俳句に「旅人と我が名呼ばれん初時雨」


裏読みしますと、旅人の「旅」=「足袋」

「足袋」は曲者、「お足」=お金ですから。

お金を入れる袋、すなわち「巾着」です。

足袋=巾着


巾着=イソギンチャクの「いそがない」=急がない

旅人=急がない人



こうなるのですが、逆にね、

「いそ」だけなら「イソギンチャク」の「巾着なし」となる。


磯の鮑の片思い=巾着(金)ない鮑の片思い


お金がないから、吉原のお気に入りの花魁に会えない!

江戸っ子が言いそうなシャレです。


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by ukiyo-wasure | 2018-08-27 01:22 | 言葉 | Comments(0)

芥川「お時儀」お嬢さんはスリ


前に書いた「蜜柑」もスリでした。

あっちは、田舎っぽい娘さん。

こっちは、美脚の都会的なお嬢さんです。

勤め人だった頃、保吉は、通勤時のホームで「お嬢さん」を毎日のように見かける。

そして惹かれて行く。

お嬢さんは、銀鼠の帽子と靴下

ここでピンときます。鼠=ドロボーです。

電車ですから、スリ(箱師)でしょう。

「蜜柑」でも、スリは「スリー」「3」がらみで表現された。

電車の音が、Tratata tratata tratata〜と三拍子


ある日、保吉は、いつもと違う時刻に見かけたものだから「ハッ」となって、つい会釈(おじぎ)をしちゃう。相手も反射的に会釈。


保吉は「不良」と思われるだろうなあと後悔する。

次に会った時、お嬢さんが近づいて来る。

向かい合った二人は見つめ合う。

彼女の目に「動揺に似たもの」を感じる。

すれ違い、彼女は通り過ぎてゆく。

掏られた瞬間です。(どこにも書いていませんが)


だから、勝手な妄想だと言われればそれまで。


例えばね、「日の光」「朝日」=サン=スリー

これも「こじつけ」と言われそうだし。

初めの方に電車の「悪臭」が出て来る。


悪臭=白秋=「城ヶ崎の雨」=利休鼠
 =胡麻(利休の好物)=ごますり=すり


うーん、ここまでヒネるかなあ?


タイトルの解読です。これもちょっと自信ありません。


  お時儀=あいさつ=藍刷=アイ(目)スリ=女スリ


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by ukiyo-wasure | 2018-08-27 00:59 | 詩・文芸 | Comments(0)