定家の歌から「羊をめぐる冒険」の冒頭をパラパラ。 第一章「1970/11/25」 三島事件の日です。テレビで放映している場面で、「どーでもいい」とスルー。 今なら、解るー。村上先生は十代で、文壇のインチキはお見通しだったと思う。 古典が読めていたら、題名だけで代作と解ったはずだから。 この章は、34番・藤原興風の歌と推理していた。 誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに 最初の解釈はすごい甘かった。ここまでヤヤこしいとは、夢にも思っていなかったから。 深読みしたら「アヘン」がテーマ。 北斎「乳母が絵解き」と合わせて考えたら、興風さんがアヘンで身を持ち崩したと読めた。 そしてこの人、生没年不明。怪しいでしょ。 代作者が、清原深養父さん。 歌の解釈は置いておきまして。 何度も書いてますが、三島由紀夫にはアヘンの影がチラチラ。 三島に「煙草」という作品がある。中の人は開高健かなあ。どう考えても「普通の煙草じゃないだろ!」ってなる。ならない人もいるかな、三島本人とか。 大麻かアヘンだろって思った。私小説じゃないから、こんときはまだ、三島とは関連付けなかった。 「羊をめぐる冒険」から引用します。 〈それから二本ぶんの煙草に火をつけて一本を彼女に渡した。彼女は煙を吸いこんで吐きだし、それを三回つづけてからひとしきり咳き込んだ。〉 意味深だと思いません?(ーー゛)?? 「二本ぶん」の「ぶん」って何だよ!! 初めてベッドを共にした、翌朝の場面。 煙草を二本取り出し、一本は自分、一本は彼女に。彼女がくわえた煙草に火をつけてあげてから自分の煙草に火をつける。 普通はこんな感じじゃない? 恋愛経験豊富な皆さま、どう? 情景を立ち上げてみてください。 私は、わざわざ書いた作者の意図を感じました。 普通の煙草じゃないでしょ (’A` )y-~ つづく。
by ukiyo-wasure
| 2021-02-14 12:31
| 詩・文芸
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