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開高健「エスキモー」偽作家にはペンダコがない

「錨を上げよ」は気持ちよーく解読終了して、開高健全集に戻りました。


「ある男」を読み解くには、開高健の全作品読まないとムリ。


23章のうち80%は埋まった。




短編「エスキモー」1963年。


1963年の作品は、暴露系が多い。


説明しにくい話。興味ある人は、ぜひ読んでみてください。


ICBMだと思うけど、エンピツのようなミサイルが飛び交って、東京は焼け野原。


核爆弾です。


生き残った人々が「天幕」で暮らす。食料はデパ地下から調達。

被爆しているために、仲間が次々と死んで行く。

「天幕」の下には、在日外国人もいる。

どうも、戦争ではなく「事故」らしい。

核爆弾発射のボタンを押しちゃった!みたいな。


これは誰の責任か、誰が悪いのか。


世界を見回すと、利害関係が薄いのはエスキモーだ。


彼らを呼んできて話を聞く。



……というような……よく解んないでしょ。



エンピツも天幕も、何かの比喩なのです。


ミサイル発射のボタンといえば、ペンタゴンです。


あそこは五角形で、サーカスの天幕のイメージ。


何で「エスキモー」なのか?


これが最大の胆です。


悩みました。

「エス」=S=イオウ

「エスキ」=イオウキ=ひおうぎ=花

「モー」=(主人公のあだ名がスキヤキ

「花牛」=かぎゅう=蝸牛(かたつむり)

フランス人もいてエスカルゴの話も出て来る。


ここで「なるほど」となった。

天幕で生き残っている人々は「男ばっか」

カタツムリは雌雄同体

猿から人間に進化した話も出て来て、進化したがために人類は戦争する。

だから猿は人間を見て笑っているとか。

カタツムリの雌雄同体は「進化」した結果。

つまり、オスだけ残った人類が、単為生殖する方法をカタツムリ(エスキモー)から学ぶという意味?

 


いやあ、違うなあ。

健ちゃんのセンスは違う。


で、再考。 


ミサイルがなぜ「エンピツ」の形だったか。

「蛸壺」も出て来る。

ペンタゴン、ペンタゴン……ペンダコかあ!!!


ここで「蝸牛」がさらに進化。


カタツムリ=エスカルゴ=イオウ借る子=威を借る子




用心深いですね。


エスキモー=威を借る子


そういえば、エスキモーは「親子」でやって来る。




四つの章に分かれている。

・天幕小屋の人々

 ペンタゴンの人々=ペンダコの人々=小説家


・エスキモーを呼ぶこと

 「(親の)威を借る子」を呼ぶこと


・エスキモー来る

 「(親の)威を借る子」来る


・エスキモー去る

 「(親の)威を借る子」去る




さあ、誰のことでしょう。



「ある男」17章と一致だと思う。


冒頭、

 夕食にすき焼を食べ〜



テレビをつけるとニュースで「ヘイトスピーチ」の特集。


主人公の弁護士、城戸は在日韓国人三世で日本に帰化している。


テレビでは1923年の関東大震災の朝鮮人虐殺に触れている。


引用します。

去年が九十年という半端なタイミングだった。

百年にあと十年足りないというそのことに、何となく、気味の悪さを感じた。



「戦いすんで」の人が1923年生まれなんだなあ。



関東大震災の朝鮮人虐殺を出して来たのは、これのためだけ?


ま、メタファー小説はそんなもんでしょう。




それはさておき、


この章には、あの「朝鮮人虐殺」の人数が書かれている。


引用します。

立件された朝鮮人殺害事件だけでも五十三件あり、当時の司法省によれば、その被害死者数は二百三十三人とされていた。実際にはーー異説も多いがーー恐らくその数倍だろうと推定されている。




平野さんは、「六千人」という数にこだわった小池都知事に批判的な立場を取っていますが、「数」はどうでもいい?
















by ukiyo-wasure | 2019-09-11 02:05 | 詩・文芸 | Comments(0)
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