「ある男」解読のために開高健を読んでいるのだけれど……。 一人称でベトナムを舞台に書いたものなど、ほとんどが「本人がマヌケ(鈍感)」という例のテクニック。 「ある男」の主人公・城戸とかぶる。 開高の短編「兵士の報酬」は、三日の休暇をサイゴンで過ごす兵士(ウエスト)の話。主人公の日本人記者と仲良し。 一緒に食事をしたり、女の子のいる店に行ったりして遊ぶ。 兵士はサイゴンに「馴染みの女」もいない。 どうゆうわけか、休暇二日目で前線に帰ってしまう。 ラスト、主人公は「彼は人を殺したいのだ」と考える。 99.9999%の読者は、これで納得するんだろうなあ。 コロッと騙されてまーす。 ケンちゃんの一人称はこのテクが多い。 ウエストは主人公に「恋愛感情」を抱いている。 鈍感な主人公はまったく気づかない。 無理もない。ウエストは毛深くて、見た目は「男の中の男」。 題名「兵士の報酬」を解読します。 兵士=ゲイ氏 報酬=房州=千葉=痴話 ゲイ氏の痴話 これが「ある男」19章と酷似。 城戸と後藤美涼が新幹線で名古屋へ。 美涼が城戸に遠回しに「好きな人がいると告白」する。 何たってマヌケな城戸先生ですから、「好きな人」が「自分」だと気づかない。 そうなると、美涼はもしかして男? 待て待て、谷口大祐なんだけど、別人になりたい理由が弱すぎないか? ああっ!!!! 彼が、「実体」は男で、「実感」は女なら。 強烈な動機となりうる。 性転換して整形手術して女性の戸籍を買った。 逆を求めている人と交換したのでは。 そうなると、この物語のサゲとして最適なのは 後藤美涼=谷口大祐 メタファー小説として読んで、裏が「開高健」 と、得意になっておりましたが、間にもう一つの「三層構造」だったとは!! まだ確定ではありませんが。 お持ちの方、その視点で読み直してみてください。
by ukiyo-wasure
| 2019-07-31 11:11
| 詩・文芸
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