「ある男」23章(最終章)に俳句が出て来る。
中学生の悠人が作り、最優秀賞になった作品です。 蛻(ぬけがら) にいかに響くか蝉の声 メタファー文学ですから、スルーするわけにいかない。 蕉門の俳句として解読してみました。 「蛻」は「もぬけ」とも読む。 「抜け」は要注意。「も」は「毛」に変化する。 解釈1 ハゲには いかに響くか 見ん見んの声 お笑い系ですね。 ハゲ=禿=かむろ と考えると、清盛が町に放ったスパイが思い起こされる。 この瞬間、ハッ!となりました。 芭蕉の方の解釈です。 今までのが、ガラガラ〜崩壊。 いやあ、目からウロコです。 「しずかさや」=「しずけさや」の「け」がない=禿 岩=がん=下む=う=腑=胆 蝉の声=民見ん 「閑さや岩にしみいる蝉の声」の真意は、 隠密や 胆にしみいる 民見んの声 うーむ。芭蕉もやっぱりそうだったのか。 勝海舟が書いています。 幕府は、いろんな職業の人たちと「通じて」いて情報を得ていた。 誹諧師=遊行僧みたいな人や、船宿の主人は「水上警察」とも。 「ねじまき鳥」を確認してみます。 つまり、「ある男」の句も同じような意味では……。 しかーし、弱肉強食の世界では、 「民見ん」と聴こえる耳じゃ生きられぬ
by ukiyo-wasure
| 2019-07-29 11:14
| 古川柳・俳句
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