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「騎士団長殺し」(50)雷蔵の「ひとり狼」か


「騎士団長殺し」(50)

『それは犠牲と試練を要求する』


この章はたった4ページ。だけど、今までで最も難問



主人公が雨田政彦とともに、雨田具彦の病室へ。政彦が席を外すと、騎士団長が出現。


キーワードは、

長い道のり。車酔い。義理人情……。



ラストの一文、

「簡単なことだ。あたしを殺せばよろしい」と騎士団長は言った。



写楽の絵の中で、最後までよく解らないものが残っていた。

この二枚もそう。

たぶんセットだと思う。

「騎士団長殺し」(50)雷蔵の「ひとり狼」か_b0230759_12482297.jpg

右を「和事」左を「荒事」と解釈しました。


和事=わし=足 荒事=あらじ=草鞋


  足草鞋=旅人



これだけでも「コジツケ感」半端ないでしょ。

でもね、ベースに「源氏」アイテムがあるから。


旅人から連想し「芭蕉」に行くと


 あやめ草足に結ん草鞋の緒


「菖蒲(あやめ/杜若)」になる。


タビニンと読めばヤクザ=墨入れ=スミレ?


ここでふと、画集の説明に注目。

小さい画像なのにじつは「大判」

旅人ときて「大判」…「大伴旅人」

この人は「酒飲み」。「花の宴」=「酒」?



 アヤメか、スミレか、酒か……。



女の人に注目。

「騎士団長殺し」(50)雷蔵の「ひとり狼」か_b0230759_13102270.jpg

着物の柄がアヤメ

そしてね、岩井半四郎は「大和屋杜若」

うーん、これは「菖蒲(あやめ)」でしょう。

「源氏」では「竹河」ね。



小説の方も「旅人」までは合っていると思う。

で、芭蕉がらみの「旅人」なら「まりえ」は「少女」=しらみ。

蚤虱馬の尿する〜


シラミの居場所は、自らの「かゆみ」で知るのだから、「諸君自身が諸君に教える」というのは正しい。


いずれにせよ、


『それは犠牲と試練を要求する』


これを解かないと、にっちもさっちも……。


いやあ、悩みましたよ。ここまでヒネる?


……ヒネるよね。


テーマは「旅人」「たびにん」と読んで「股旅」の方です。


義理人情、恩義と来ましたから「一宿一飯」ネタ。



犠牲=滅私=飯(めし)


じゃあ「試練」はどう読む?


任侠道がらみです。浪曲やヤクザ映画にヒントを求めました。

私の知っている世界がネタ元とはかぎらない。


けど、これでしょ!


 雷蔵の「ひとり狼」


この映画は「旅人」の作法を忠実に描いている。

ご覧になった方、覚えていますよね。絶対に「へぇー」となったはず。


「飯」の場面「鯵の干物」が出た。


残った頭と骨を、懐紙に包んで懐に仕舞う。


ちなみに、布団が「柏餅」もこの映画で知りました。

思えば「柏餅」も「菖蒲」の縁語なのでした。


「試練」=テスト=テイスト=味=



それは=旅人は


タイトルの意味は「旅人は飯と鯵を要求する」


なぜ、この映画を出して来たのか。

「騎士団長殺し」(50)雷蔵の「ひとり狼」か_b0230759_13532609.jpg

この二人は、例の「にらみ×2=しらみ」コンビです。

他にもあるので、息があった二人なのかも。


市川男女蔵さん、この人は初代だと思うのですが、二代目市川男女蔵は、後の四代目市川雷蔵!!


どうですか、スゴいでしょ。


「あたしを殺せばよろしい」=滅私/殺め


武士道もそうですが、任侠道もそうですね。

一宿一飯の恩義で、


 知らぬ相手を〜斬るという〜♪



全世界のハルキストさんからNG!来そう。












by ukiyo-wasure | 2019-01-03 14:35 | 詩・文芸 | Comments(0)
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