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三島「獣の戯れ」幸二は実の息子(2)


つづきです。

幸二が、逸平をスパナで殴った事件。

これは、事実でしょう。(小説の枠内で)

凶器のスパナは、病院の前で優子を待っているときに拾ったことになっている。

警察の調べでは、持ち主は電気会社の人。

この人は、病院の前では落としていないと証言。

これは証言が正しいでしょう。隠す必要ない。


幸二が常に、護身用(武器)として持っていたのでは。街でケンカするネタが登場しますし。


ここで話が飛びます。

「ダンス・ダンス・ダンス」で、ものすごーく気になっていることある。

五反田君が出る「片思い」という映画

五反田君とキキが抱き合っているシーン。

ここに、五反田君の恋人がいきなり入ってくる。

ショックを受けて帰って行く。

引用します。37章

どうして鍵がかかってないんだろうと僕は改めて疑問に思う。でもまあ仕方ない。これは何といっても映画なのだ。それも凡庸な映画なのだ。


「凡庸」が出て来たので、川端「骨拾い」のことで、蔵に鍵が掛かっていなかったのかというツッコミと解釈していた。

「獣の戯れ」を読んだら、こっちかなあとも思った。


で、同じ疑問が「ノルウェイの森」にも登場するのでーす。


上巻、P.152。

女の子が言う。

「彼の部屋のドアを開けたら、目の前でやってたんだもの」

これに対して、

どうして鍵を閉めなかったんだろう」と僕は言った。


これらが関係あるかは解りませんが、


逸平が、町子という女の部屋で浮気をしているという情報をつかみ、優子と幸二がその部屋を訪ねる。

小説の中の小説では、ドアをノックしたら、すぐに町子が出て来たことになっている。

変でしょ。普通は「誰ですか」と聞く。

ましてや、ガウンの下が裸です。


この部屋の鍵を、幸二が持っていたのでは。

町子は幸二の恋人。

でなきゃ、犯行の動機が不明です。

優子と恋愛関係にあるのなら、その夫は他の女に夢中になっていてくれた方が都合がいいでしょ。

ちなみに「獣の戯れ」にも「凡庸」が出て来る。

しかし実際に幸二が見たのは、人間の凡庸な照れかくしと御体裁の皮肉と、今までさんざん見飽きたものにすぎなかった。



タイトルの解読です。

=アニマル=ハに丸

 =眼=め=

ハにメ=父

=下ひ=かい=回=まわる又はかえる=コロッ

戯れ=たわむレ=レが「たわむ」と「し」


 獣の戯れ=父殺し




ちょっと落語の「名人長二」をイメージしました。


ご存知、捨てた我が子と再会。
長二が父親を殺してしまう。



当然「源氏」のスカシで入りでした。

リストでチェックしていくのですが、最後に、見つからなかったものが残る。

今回、「薄雲」=クラゲが見つからない。

海なのだから、出すのは簡単。

そこが、凝り性のゴーストさん。

クラゲ=水母=み母=実母



梅枝=スミレも残った。

楽器工場で働く女の子がウクレレを持っている。

これが重要なアイテム。

スミレの一種にビオラがあります。

楽器にもありますね。調べました。

楽器のビオラは「擦弦楽器の総称」だって!

ウクレレ=ビオラ=スミレ


*訂正します。

ウクレレは擦弦楽器じゃないですね。

うーん、ハワイアンで「常夏」の方かなあ。


「梅枝」=スミレ「相撲取り花」ですから、スモーキング(相撲キング)=喫煙?



誰が書いたか。たぶん開高健でしょう。

刑務所から出た幸二が心の中で度々言います。

「俺は悔悟した人間で……」

「悔悟」というワードがしつこく出て来ます。

匂うでしょ。かいご…かいこう。


悔悟=開高 した=下=け

人間=万事塞翁が馬=運=ん


ほーら、「俺は開高健で」になったでしょ。


「トリスバー」も出て来るし。



「塞翁が馬」のヒントは「漢詩」が出て来ることです。




コレ以外でも「光沢紙」が出て来て、開高だなって思った。

「沈める瀧」にも出て来ます。


この作品は、かなり意味深で、まだまだ、いろんなものが隠れている気がします。


読んでみて……と言いたいところですが、めっちゃ読みにくいから何とも……。










by ukiyo-wasure | 2018-12-07 18:27 | 詩・文芸 | Comments(0)
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