「乳と卵」について、人聞きの悪いことを書きました。 文庫には、もう一作、ごく短い作品が載っていた。 「あなたたちの恋愛は瀕死」 タイトルから感じられる通り、脳がミリミリしてくる文体です。 川端の「美しい日本のワタクシ」と、いい勝負の変な日本語。 ワザとでしょうけど。「蛇の穴」のお嬢様のしゃべりみたいな感じ。 三人称なんですが、主人公は「頭大丈夫か」っていう女。 脇役で、ティッシュ配りの若い男性。 「女」が新宿の街へ。 デパートや本屋を「性や恋愛」を考えながら、めぐる。 行きずりの男との関係ってどうなんだろう?みたいな。 最後ね、自分からティッシュ配りの男性に、肩を叩いて「へーい」と声を掛ける。 逆ナンですね。 すると男性。引用します。 男は不意に肩を叩かれて、振り向いたときに灰色に浮かびあがるぞっとするような女の顔があったので、その瞬間に何もかもが吹き飛ぶような映像が見えて〜 男は女を殴り倒す。 女は道路に叩き付けられ気を失う。 バッグの中身が散乱。悲惨な状況に。 一読後、この女は病んでいるとしか考えられなかった。 先入観というのは恐ろしい。 題名の解読をして、はじめて真相に気づきました。 「あなたたちの恋愛は瀕死」 早口で三回言ってみて!! 舌噛みそうでしょ。 舌かんだ=下神田=東京(山手線) これに気づくのに、どんだけ悩んだか。 そして「東京」です。 東京=トンキン=ドンキー=ロバ=老婆 主人公の年齢を、先入観で、まあ、歳いってても四十以下と無意識にイメージしていた。 だって、ナンパされる気満々なんだから。 老婆と思って再読すると、すべて納得。 ぶつかった若い女の「見下した笑い」とか。 厚化粧でお化け状態だったのでしょう。 ティッシュ配りのお兄さんがビビッた理由にも納得でしょ。 いやあ、スゴい。 年齢のトリックには初めて会った気がします。
by ukiyo-wasure
| 2018-11-14 03:40
| 詩・文芸
|
Comments(0)
|
カテゴリ
以前の記事
2026年 04月 2026年 03月 2026年 02月 2026年 01月 2025年 12月 2025年 11月 2025年 10月 2025年 09月 2025年 08月 2025年 07月 more... 外部リンク
最新の記事
最新のコメント
検索
タグ
百田尚樹さん(287)
北斎(272) 村上春樹(252) 其角(252) 暇空茜さん(250) 百人一首(250) 百田先生「きまぐれライブ」(231) 山頭火(209) 桜井誠さん(190) 幻庵(164) 三島由紀夫(162) 乳母が絵解き(140) 源氏物語(139) 志ん生師匠(136) YouTube「新版・日本国紀」(133) 枕草子(129) 村上春樹さん(125) ねじまき鳥クロニクル(122) 古今亭志ん生(121) 掌の小説(119) ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||