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本当はグリムより恐い「貫多シリーズ」(6)


「痴者の食卓」の「人工降雨」。

「新潮」2014年6月号。

最後になりました。これが最も恐ろしい。


秋恵とケンカをした貫多は、ふてくされて風俗でも行こうかと思ったが、やっぱり仲直りしようと決め、リビングで秋恵の帰りを待つ。

秋恵がパートから帰って来る。

貫多、とことん下手に出てご機嫌を取り、食事の手伝いまでしちゃう。

差し向かいでの食事中、秋恵の言葉がチクリチクリと貫多を責める。

秋恵の実家から貫多が借りたお金300万円の、借用書の話しが出る。


「ーー拇印もちゃんと捺してよね」

*家にいるのに拇印かよ。


キレそうになるのをグッとガマン。

席を立ち別室へ。だが、ムッカムカは高まる一方。

ついに台所で秋恵の髪を掴んで引き倒し、ツバをペッ。

そして、中三の頃の母親への暴力を思い出す。

「ーー目をつぶって、歯を食いしばれ!」

と、母親に言われて殴られて育った彼は、思春期に同じセリフを母親に言うのだった。

*旧日本軍か!




「人工降雨」という題名ですが、内容とまったく関係ない。


拇印旧日本軍のビンタから連想するのは、あの小説です。

あの小説も、題名を解読してみてはいました。が、「あまりにヒドい」ので書きませんでした。


突然ですが「エンコ詰め」ってご存知ですよね。

エンコは猿猴(えんこう)に由来するそうです。

ということで「猿回し誕生(ボーン)」と読めた。


「人工降雨」はこう読める。

人=じん=しん=申(さる)
工=公
降=ふる=フール
雨=め 


 人工降雨=エテ公バカめ

by ukiyo-wasure | 2018-10-06 17:58 | 詩・文芸 | Comments(0)
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