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芥川「一塊の土」おばあちゃんは男!!


お住息子仁太郎は、足かけ八年、腰抜け同様に床に就いて、死んでしまった。

嫁のお民孫の広次と三人で暮らすことに。


お住はお民に婿取りをすすめるが、お民はかたくなに断る。

そして、男のように、働きに働く。

村で「偉人」「貞女の鏡」といわれるほどの評判に。

野良仕事などの肉体労働をすべてお民がやるものだから、家事はすべてお住の仕事。

歳を取ってくると、家事もキツい。

それでも、やる人がないからしょうがない。

次第にお民が婿を取らないことを恨むようになる。

ついには言い争いに。

お民は、

「お前さん働くのが厭になったら、死ぬより外はなえよ」

とまで言う。


しかし、先に死んだのはお民

腸チフスでポックリ。貯金をたっぷり残して……。



詳しくは「青空文庫」で。





これは最初から「あれ?」っとなる。



 広次は誰の子だよ!



夫は八年間寝たきりなのに、まだオンブする年齢。



 ありえへーん!




深沢の小説に、老いた女形の役者の話がありました。

それでピンときた。


お住は女形の役者、つまり男。


息子の嫁と関係した。

広次は、孫ではなく息子。


広次に向ってこんなことを言う。


「好いか? わりゃおばあさんにお父さんと二人分孝行するだぞ」


たしかに。


同性愛としての「じつは男」は、これまでいっぱい出て来ました。


今回は「見た目が女」で、中身は正真正銘の男



タイトルの解読、超難しかった。

ちょっと自信ありませんが。


=日中(日の真ん中の棒の意味)イナカ

塊=かい
 「か」=キクの上=菊之丞(有名な女形)
 「い」=ひ=一=ひと

の=の(そのまま)

土=つち=フ(ツー)ち=二ち=ちち=父




  一塊の土=田舎菊之丞、人の父




「貞女の鏡」も歌舞伎っぽい。

「牛の屁」は「臭い」って意味か。

by ukiyo-wasure | 2018-09-16 02:26 | 詩・文芸 | Comments(0)
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