芥川 「庭」は埋蔵金さがし


答え書いちゃいましたが、そういうことです。


江戸時代に本陣宿だった旧家。

立派な「庭」もあるのですが、明治になって手入れもされず荒廃していく。

隠居の老夫婦がいて、三人の息子

父親が亡くなると、長男が後を継ぐ

次男は不良で、養子先から金を持って酌婦と駆け落ち。

三男は遠くの造り酒屋に勤務。やがて、そこの娘と結婚する。


長男は気難しい性格で、家族ともあまり親しまない。

乞食宗匠の井月だけは遊びに来た。



 山はまだ花の香もあり時鳥 井月

 ところどころに滝のほのめく 文室(長男の俳名)



という附合いが残っている。



ある秋のこと、裏に山火事があり、その冬、長男が患い結局亡くなり、その妻も同じ病で亡くなる

一粒種の息子、廉一は祖母が面倒をみている。


三男夫婦が来て当主となる。

さらに、ずっと行方不明だった次男が帰ってきて住むことに。


次男は放蕩の末、悪疾に罹っている。


さて、この「ろくでなし」の二男、何を思ったか、庭に鍬を入れ始める。


「昔の庭を再現」するのだという。


来る日も来る日も、取り憑かれたように働く

チャラいはずの男が、肉体労働で汗を流す

これを見た甥の廉一くん、手伝うのです。


年とった廃人と童子とは、烈しい日光や草いきれにもめげず、池を掘ったり木を伐ったり〜


次男の病は脳まで冒し、言動も怪しい状態に。

そんなことを十年続けて、とうとう死んでしまう

じつに満足げな顔をして……。


それから十年たらずで、屋敷も庭もなくなり、跡地には停車場ができて、その前には小料理屋が建った。

廉一くんは東京の美術学校で絵のお勉強。

カンバスを前にした彼の心には、時々次男(叔父)の顔が浮かび、話しかける。


「お前はまだ子供の時に、おれの仕事を手伝ってくれた。今度はおれに手伝わせてくれ」………



という、お涙ちょうだいのイイ話。


……な、わけない!絶対に。


「ろくでなし」が、急に「芸術性」に目覚めたりする?



 庭=ガーデン=貨(たから)当てん



次男はなぜ、庭に宝が眠っていると考えたのか。

長男が残した俳句でしょう。


井月という俳人は実在しますが、この句は芥川の創作だそうです。

意味深でしょ。




 山はまだ 花の香もあり 時鳥 

  ところどころに 滝のほのめく 



「花の香」に注目。

=桜=
=下ね=
=


 山はまだ 黄金貨あり 時鳥



こからはちょっと適当ですが、頭文字を読んで行くと、


山・花・時・所・滝=山火事下


とも読める。



結局、宝は見つかりません。

ま、そうでしょう。「金」のことばかり考えているから、何を見ても「金」と結びつけちゃう。

「兄貴、金を隠したな!」と読んじゃったのね。



亡くなる直前の様子を引用します。


十年の苦労は詮め(あきらめ)を教え、詮めは彼を救ったのだった。

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by ukiyo-wasure | 2018-08-24 23:25 | 詩・文芸 | Comments(0)
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