藤澤清造「ペンキ塗立」まるで貫多くん


これはもう、何なんですか。


主人公の田口くんは、お約束通りビンボー青年。

夜の十時。すでに布団に入っている。

そこへ、裕福な友人の井上が訪ねて来て、遊びに誘う。

井上の妻は、もとカフェーの女給。
じつは田口もホの字だったけど、ビンボーすぎて女性にコンプレックスがあるのか、思いを隠して井上に譲った。
でもでも、今でも好き!なのでした。

「遊びに行こうよ。付き合えよ」と結構しつこく誘われるが、田口くん、どうも、


  布団から出たくないワケ


があるらしい。


井上の妻は病気で、「ペンキ塗立」状態。
意味は「傍へ寄れない」
同衾できないから、遊郭で遊んでも文句は云われないらしい。


結句、井上はあきらめて帰ってしまう。

この間、田口くんはずっと布団の中で対応。



布団の中に何か隠しているだろ!!



ヒントは出ています。

独身者という独身者がみなそうするように、彼もまた〜中略〜これが毎夜のしきたりなら、田口の性慾はまた、何時でもその途中でもって、井上のニュウワイフの上にきて、一休みせずには居られなかった。


お察しください。

ここからが悩みどころ。昔の話ですからね。
ラブドールだと布団がモッコリしそうだし……。

いろいろ調べたら「吾妻形」というのが引っ掛かりました。

詳しくはGoogle先生に聞いてね。

淋しい独り寝の男性のための、女性の替わりです。

これが、どうすれば「ペンキ塗立」と結びつくのか。

室温38℃の中で、延々と考えました。


 
ペンキ塗立=明日まで我慢=吾妻で我慢



*貫多くんのあの、奇妙なしゃべり方って、清造さんの登場人物なのですね。一人称「僕」だし。納得。




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by ukiyo-wasure | 2018-08-04 00:40 | 詩・文芸 | Comments(0)
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