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藤澤清造「殖える癌腫」は阿片中毒?


主人公の高田には五人の子どもがいて、さらに六人目が生まれそうな状況。

でね、コイツ、今度の出産で、母子ともに死んでくれればいいのにって思うのです。

ヒドい奴!!

家に帰り着くと、五人の子どもが出迎える。

そんときは、ちょっとはカワイイとも思うが、やがて、みんな死んでくれたらいいのにと考える。

勿論、表面的には普通のパパです。

硬い会社のサラリーマンです。

子だくさんで生活が苦しいといっても、昔はこんなものでしょうし、婆やを雇っているから中流の家庭のようです。

何か不穏な影を纏っているのです、この主人公。


第三章のラスト、引用します。

やがて高田は、箸を置くと、また彼自身で食卓を持って、台所へ行った。それから彼はまた元のところへ引返してきて、煙草に火をつけた。それを二三本灰にして終ったところだった。そこへめずらしく西村がやってきた。


第四章が、やって来た西村との会話となる。

のだけれど、コレが「女地獄」と同じように、幻覚だと思われる。
どうもオカシイ部分がある。

食後の「煙草」は、たぶん阿片でしょう。

西村が帰る場面、引用します。

それから、西村は帰って行った。ーー風のように来た彼は、また風のようにして帰って行った。


タイトルを解読します。ちょっと自信ないのですが、

殖える癌腫=増える雁首


  雁首=キセル=阿片煙草



「女地獄」といい、この作品といい、存在しない人物との会話が、実体験?と思っちゃう。

当時の文壇はドラッグが蔓延していたみたいですし。



*余談でございますが、たまに「霊が見える」という人がおります。

私自身、会ったことがある。

占いや霊媒師など、プロじゃなくて一般の人

本人には言いませんでしたが、

何でそれが「霊」だと解るの?

存在しないものが自分だけに見えたら、皆さん、心療内科に行きませんか?

何故そこで「自分、超能力者かも」と考えるのか。

ヤバいと思いまーす。





by ukiyo-wasure | 2018-08-04 00:11 | 詩・文芸 | Comments(0)
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