三島「英霊の聲」はギャグ


「憂国」「十日の菊」とコレで「二・二六事件三部作」だそうです。


詳しくはこちら。
https://ja.wikipedia.org/wiki/英霊の聲


「憂国」についてはすでに書きましたが、こっちの方が「気づいた人」絶対多いでしょ。

まるで「ドッキリカメラ」か「モニタリング」の世界。

「あれ?何かおかしいな」と思っても、三島由紀夫が書いたという先入観で、「自分は文学が理解できてないのかなあ…」と思っちゃう。


宗教的な儀式の中に入ると「洗脳」状態になるのと似ています。


川崎という盲目の霊媒師の青年に、二・二六事件の将校やら、戦争で死んだ「霊」たちが乗り移っていろいろ言うわけです。


途中ね、何これ?というのが出て来る。

怪獣とかスモッグとかです。

支離滅裂なところも多く、どうも「からかわれてないか?」な、感じなのです。


最後、霊媒師は、仰向けに倒れ死んでしまう。引用します。


死んでいたことだけが、私どもをおどろかせたのではない。その死顔が、川崎君の顔ではない、何者とも知れぬと云はうか、何者かのあいまいな顔に変容しているのを見て、慄然としたのである。


能の形式にのっとり、しめやかに、ずーーっと来てコレです。


何を意味するのか。それが解けなきゃ「読んだ」ことにならない。


まず、川崎君は、なぜ死んでしまったのか。

「耳なし芳一」をご存知ですね。

耳にお経を書き忘れたから、耳をちぎり取られた。

川崎君も、恨みを持って死んだ霊を呼び出すなら、全身にお経を書かなきゃダメでしょ。

死んで当然です。

だって、相手は平家の怨霊たちなのですから。


題名をよーくご覧あれ。


  英霊の聲=平霊の所為(せい)



あいまいな顔に変容=変化=平家


「掌の小説」の「心中」とまったく同じセンスです。


こんなに長く引っ張って、ドンと落とす。


源氏鶏太か深沢か。海軍経験のある源氏鶏太かなあ……。

「死刑」が出てきますし。

(源氏鶏太=源・死刑だ)


三島由紀夫はまったく読めていないと思う。

「美学」って何ですか。「美意識」ならまだしも……。

気の毒です。

読めていたら、三島事件はなかったかもしれない。


興味のある方、ぜひ読んでみてください。



*追記 2018.10.13

ゴーストさんたちの「恨み」はもっとキツいと思えてきました。

「英霊の声」=AOのこへ=アホの子へ

アホの子は、バカボンね。



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by ukiyo-wasure | 2018-06-26 01:02 | 詩・文芸 | Comments(0)
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