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「掌の小説」の「黒牡丹」貞明皇太后


「掌の小説」の「黒牡丹」です。


子犬の名前です。白犬ですが、耳だけ牡丹の形に黒いらしい。
冒頭に血統証明書みたいなのが出て来る。
貴族の婦人から、主人公が貰って育てようという話。

主人公の男性は画家。妻がいる。
けれど、パトロン的な貴族の女性(子犬の飼い主)がいて、かつての愛人。
貴族の女性は別の男性の妻になっている。

画家と貴族の女性の間には女の子がいる。田舎の方に里子に出されている。
画家の妻にもかつて愛人がいて、隠し子がいる。

こういう、交差した関係。双方に隠し子がいる。

それをあっけらかんと、告白し合う。

なーんか、マンガチックなのです。


タイトルですが、いかにも「同音異義語」って匂い。


  黒牡丹=国母譚(丹/に)



国母とは誰か。皇后、または皇太后です。

昭和ですから、皇太后は大正天皇のお后。

調べたら貞明皇太后という方でした。


ウィキの情報を読みましたらナルホド!
https://ja.wikipedia.org/wiki/貞明皇后



小説から引用します。
主人公と貴族のご婦人との間にできた女の子の記述。


「ああして田舎の百姓の強い娘に育った方が、幸福かもしれませんわ。ーーでもお約束して下さらない? あなたでも私でも、どちらでもつれあいに打ち明けて許しを得た者が引き取るのは自由だと」



それでね、川端康成は何匹か犬を飼っていたらしいのですが、そのうちの一匹の名が「黒牡丹」。

これって、何なの??

by ukiyo-wasure | 2018-04-25 02:26 | 詩・文芸 | Comments(0)
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