「掌の小説」の「男と女と荷車」は間男


「掌の小説」の「男と女と荷車」

 
荷車をシーソーがわりにして遊ぶ子どもたち。

全部で10人、その内の年長(十二三歳)の三人がメインの話。
百合子、龍雄、春三。
場所は百合子の家の前。
思春期のはじめで「女は」「男は」と性を意識した会話もある。

シーソーをSEE-SAWと表記。「見る」「見た」とも読めますが、ここは「真相」かなと思う。


「真相」とは何か。

実際にはいない登場人物に注目。

百合子の家の前に停めてある荷車の持ち主は、どこにいるのか。百合子の家の中でしょう。

言い争いの中で百合子が春三に、

「車屋の小父さんはね、わたしの家のお出入りよ」

「お父さんに言いつけてやるから」


春三は言い返す。

「君の家なんぞ田舎っぺだい。僕の方じゃあ、君の父さんなんかしらないようだ」


こんな描写も。

 つまらなそうな顔をした春三は、門に寄りながら扉を開こうとしない百合子の心を読んだのであろうか、つと女に走り寄り女の耳に口を近づけ、少女が肩をひねり顔を反向けるのを追うて抱かんばかりにしつこく囁きつづけた。

 
読まないと解らないと思いますが、総合的に判断すると、

百合子の家は妾宅。父親は地元の人間ではなく、地方からたまに東京に出て来る国会議員か、企業経営者か、そんなところでしょう。

荷車の持ち主は「間男」

百合子は閉め出されている状態。家に入れない。

春三は、そういうことを薄々知っている。


荷車は形状から「大八車」と思われます。

大八車=大家来る間

大家は家主、家の主人の意味です。


 男と女と荷車=男と女と主人来る間

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by ukiyo-wasure | 2018-04-04 11:06 | 詩・文芸 | Comments(0)
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