「禽獣」を読むために図書館で借りた岩波文庫です。 抒情歌・二十歳・寝顔・禽獣・田舎芝居・童謡・イタリアの歌。 数ある作品の中で、この7作品すべてが「アヤシい(代作疑惑)」。 何らかのトリックか、スカシ(解る人にだけ解る署名のようなもの)入りです。 最初の五作品については解説しました。 「童謡」は「盗用」と読み、かなり複雑なものが入っている模様。 なので置いておきまして、 ラストの「イタリアの歌」です。 1936年の作品。 何とまあ、文体が深沢っぽい。当時は21歳くらいだから、ないか。 ま、誰の作品でもいいのだけれど、これも「源氏」が入っている。 スカシで入れているというより、そこからの発想で生まれたのではと思ってしまう。 やっぱし、伏線を放りっぱなしで終っている。 ラストから三行目のこの一文。 なんといふことなしに、「家なき子」の「イタリアの歌」を歌ひ始めた。 調べましたら、「ニーナの死」という歌曲。 Google先生のおかげです。 でなきゃ、私なんかに解りっこありません。 ニーナ=Nina。ニナでもいい。 イタリアの歌ですから、ニナはイタリア語。 などと、ボンヤリしているとダマされちゃう。 「にな」を辞書で引くと「蜷」が出る。 巻貝のことです。 「細雪」にも出てきました。猛毒を持つものがある。 じつは「源氏」のある章がコレ。 いやはや、参りました。こんな形で入れているとは! 収録の七作品を選んだのは、川端氏ではなく編集部だそうです。 編集者さん、裏事情を知ってた? 追記 2018.3.11 「イタリアの歌」は「色彩を持たない多崎つると、彼の巡礼の年」第4章と一致ですね。 貝やネジ関連の、思わせぶりな表現がいっぱいです。 例えば、 ふくらはぎは釉薬が塗られた陶器のように白くつるりとしていた。 ちなみに「細雪」下巻の35章が「巻貝」です。こちらは、 痩せた、面長の、象牙のような血色をした、ちょっと能役者と云った感じの人で〜 巻貝を人間の容姿で表現するって、面白いでしょ。 やってみまーす。 年齢のわりに、不自然なほど小じわのない皮膚はリフトアップ手術のせいか。彼女が上向くと、厚塗りしたパールホワイトのファンデが、水平線上にある夕日にテカった。
by ukiyo-wasure
| 2018-03-10 21:31
| 詩・文芸
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