「1973年のピンボール」=其角「身にしむや〜」


これには参りました。

其角の鬼といわれる研究者の人がいますが、「鬼」の上を行っている村上春樹さんは、やっぱり閻魔大王のような人でございます。

この句。

 身にしむや 宵暁(よいあかつき)の 舟じめり


私にはまったく解けていませんでした。


「1973年のピンボール」文庫本のP42〜を読んで、


 ああーっ


となったのでーす。


句意いきます。

 骨なくて 山に住むや ヤカンのタコ


小説の方は、大学をやめて一人暮らしをするという話。
やめた理由は、説明できない。
夕方になるとある感情が押し寄せるという。


 身にしむや=慣用表現「骨身にしみる」の骨がない。

 身にしむや=32468=3(山)に4(中国語のスー)む・や

 宵暁=夜間=やかん

 舟じめり=住持めり。住持は僧=タコ。

 ヤカンのタコ=手も足も出ない


さあ、誰のことでしょう。

其角自身のことかと思ったけど、どうもしっくりこない。

山に住む=山家集=西行


つまり……羊男さんです。

大学をやめた理由=出家した理由は「戦が嫌だった」

武士をやめた=骨がない

宵になると「嘆けとて月やはものを思はする……」となるのでしょう。

文庫で175ページという、長編とはいえない短めの小説ですが、その裏には、其角解読という、奇跡ともいうべき功績が隠れているのでした。











 





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by ukiyo-wasure | 2017-12-20 11:49 | 古川柳・俳句 | Comments(0)
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