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「海辺のカフカ」ジョニー・ウォーカーの意味


これも気になりますよね。

第14章に登場するジョニー・ウォーカーさん。


この章は、北斎「富嶽三十六景」の以下の絵と一致します。


「神奈川沖浪裏」
「海辺のカフカ」ジョニー・ウォーカーの意味_b0230759_12173160.jpg
北斎展のポスターといえばコレ。日本人なら知らない人はない。

芭蕉の「古池や」と一緒。

歌舞伎という前提で考えれば「白浪物」しかありません。

手前の波の形が富士山。「見立て」の意味もあるかも。


小説の方。

大きな黒犬=狼(ろう)だとか、

ジョニー・ウォーカーの偽物=海賊版とか

細かいことは色々ありますが、


なぜ、ジョニー・ウォーカーなのか。

村上春樹さんが込めた意味を、何としても解読したい。

悩みました。

ジョニー・デップの海賊と関係あるかもと、調べたら「パイレーツ」より前に書かれている。

やっと解りました。


 ジョニー=序に

 ウォーカー=歩く=悪く


 「序に悪く」とは「次第に悪く」という意味。


「白浪五人男」の名台詞が以下。


 知らざあ言って 聞かせやしょう

 浜の真砂と 五右衛門が

 歌に残せし 盗人(ぬすっと)の

 種は尽きねぇ 七里ヶ浜

 その白浪の 夜働き

 以前を言やぁ 江ノ島で

 年季勤めの 児ヶ淵(ちごがふち)

 江戸の百味講(ひゃくみ)の 蒔銭(まきせん)を

 当てに小皿の 一文字

 百が二百と 賽銭の

 くすね銭せぇ だんだんに

 悪事はのぼる 上の宮(かみのみや)

 岩本院で 講中の

 枕捜しも 度重なり

 お手長講と 札付きに

 とうとう島を 追い出され

 それから若衆(わかしゅ)の 美人局(つつもたせ)

 ここやかしこの 寺島で

 小耳に聞いた 祖父(じい)さんの

 似ぬ声色(こわいろ)で 小ゆすりかたり

 名せぇ由縁(ゆかり)の 弁天小僧

 菊之助たぁ 俺がことだ



ほらね、次第にグレていくでしょ。



by ukiyo-wasure | 2017-12-07 12:32 | 美術 | Comments(0)
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