また順番跳びますが、これもツボりましたので先に。 「海辺のカフカ」第13章は、北斎「富嶽三十六景」の以下の絵のことを書いていると思われます。 北斎が「富嶽三十六景」に込めたメッセージは「歌舞伎」です。 「信州諏訪湖」 よく見ると兜の形で「壇浦兜軍記~阿古屋(あこや)」を表しています。 海人の小屋=阿古屋。 小説の方。 「あこや」と聞いて、真っ先に浮かぶギャグ、ありませんか。 私は「あゝ荒野」です。村上先生もそうだったみたい。気が合って嬉しいな。 冒頭から引用します。 「胃を小さくしているんです」と僕は説明する。 ボクサーの減量ね。 大島さんはスピード狂。 大場政男みたいです。 音楽の演奏に関する話。「阿古屋」は三つの楽器を弾かされます。 度々出てくる「家出少年」というワード。 寺山修司「家出のすすめ」 『坑夫』=「幸福論」 ひとりぼっちの主人公=寺山「ひとりぼっちのあなたへ」 よく読めば、もっとあるでしょう。 ラストの言葉、引用します。 「この広くて深い森はすべて君のものだ。便所がどこかなんて君がきめればいいことじゃないか」 いかにも、寺山修司が言いそう。実際に書いてあるもののアレンジかもしれません。 寺山はカリスマでしたね。 オトナになると「あざとさ」が鼻に付きますが。 ドキッとさせる、感情に訴える表現が巧み。 言葉の幻術師です。少年少女はコロッといく。 堂々と適当なことも言っている。 永井荷風が踏切で死んだとか。事実と創作がゴチャゴチャ。 「見てきたようなウソ」を書くのが作家ですから、その点では天才だと思います。
by ukiyo-wasure
| 2017-12-04 13:24
| 美術
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