其角「夢と成りし」


 其角の、

  夢と成りし 骸骨踊る 荻の声


このイミフな句と一致するのが「1973年のピンボール」では、文庫P19。直子の父親についての記述部分と思われます。

 仏文学者、突然の辞職、堕天使や破戒僧、悪魔払い、吸血鬼などの書物を翻訳。

 写真は、ハンチングをかぶり黒い眼鏡、

以下引用します。

 カメラのレンズの一メートルばかり上をキッと睨んでいた。何かが見えたのかもしれない。


俳句の方ですが「夢」がまず厄介です。

「む」と読むものは、いろいろに化ける。

五の上で「上戸」とか。

いろは歌だと「つねならむ」で「ら」の下。

「下ら」=から=亡骸

夢と成りし=誰かが亡くなったと読めちゃう。

「荻の声」もワケワカメ。風で鳴るとは言われていますが、其角ですからストレートなわけがない。

ここで、村上春樹先生の小説におうかがいを立てる。

最後の「上空への目線」が気になます。何を見ているのか。

荻=沖として、「沖の声」なら海鳥でしょう。
 
千鳥か、カモメか、カツオドリか、鳰鳥か、都鳥か。

千鳥ならば、須磨のイメージで亡くなった人は「色好み」となる。

鳰は仁王となって、なるほどキッと睨む感じです。

こうなると厳格な人です。

其角のお父さんは近江出身。近江の海は鳰の海だからややこしい。



とかナントカ書いて、どうもしっくりこない。

一晩寝たら、目覚めた瞬間解りました。

夢=む=「下ら」=から。

カラはカラでもオカラ

荻=荻生徂徠からの連想です。徂徠といえば豆腐だから。

オカラは別名キラズ=切らず。前にも出てきたような……。

赤穂事件のことでしょう。

「骸骨を乞う」という言葉があるそうです。

辞職を乞う意味です。骸骨=辞職

小説にも「辞職」が出てます。

キッと上空を見る」は、吉良上野介の意でしょう。

 それとも、空に何か居る=空居?


 吉良は斬らず 辞職を取る 徂徠かな


徂徠は幕府の相談役でしたからね。

両成敗しなかったことへの批判。

裏は川柳・狂歌の世界ということですね。


村上先生、これも参りました。

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by ukiyo-wasure | 2017-12-03 23:27 | 古川柳・俳句 | Comments(0)
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