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恨みわび〜は魚づくし

 百人一首です。残り少なくなりました。

 65番・相模さん。


  恨みわび ほさぬ袖だに あるものを
     恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ 

 中学生用テキストの「鑑賞」では、

 「報われぬ恋によからぬ評判を惜しむ」だそうです。

 いつものことですが、これも、そんなありふれたテーマの歌を何で選んだの?なのです。頭のやわらかな中学生の皆さん、ぜひ先生に質問しましょう。だって、不思議じゃね?どこがどうして、歴史に残すほどの「名歌」なのか。

 
 超訳いきます。

 恨みわび         う
 ほさぬ袖だに       ほ
 ある(ない)ものを    な
 恋に朽ちなむ       こ
 名こそ惜しけれ      め


 ない→ある。「ない」は縁起が良くないので「ある」にしている。落語などで、梨をアリノミと言いますよね。これが手柄でしょうか。

 縦読みで「魚名込め」。前に鳥づくしがありましたが、これは魚づくし。

 恨= 想像上の大魚
 わび=の原語はアヒ

 ほさぬ袖=タラ? ウルメイワシ? ニシン(にじむ)
 あるものを=イルカ

 恋=
 朽ち=グチ
 名こそ=鯽(せき)=フナ
 
 惜しけれ=干しけれ。または、鮒寿司で「押しけれ」か

 魚の名は適当です。もっとピッタリのがあるかもしれません。

 題詠だそうですから「恋」がテーマだったのでしょう。「恋の歌」ならぬ「鯉の歌」。相模さん、名前すら知らなかったけど、かなりデキるとお見受けいたしました。

 ちなみに、鮒寿司は奈良時代からあるんですね。




*この歌を描いた、北斎「乳母が絵解き」です。
https://tamegoro.exblog.jp/28209488/
by ukiyo-wasure | 2017-08-02 20:10 | 詩・文芸 | Comments(0)
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