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「美しい花がある。花の美しさというものはない」

 小林秀雄のこの言葉ね、昔からいろいろに解釈されています。たいていは哲学だの美意識だの、もったいつけてエラそうに。お前なんかにゃ解るまい…的に。

 この人、嫌いです。簡単なことをワザと難しく言っているとしか思えない。箔をつけている。桐箱入りの輸入チェリーみたいだ。

 和歌の深読みをしていると、言葉ひとつに一時間も悩んだりします。そうしていると「甘い」「ゆるい」表現が気になる。

 簡単な話、「美しい」はね、どこまでいっても「主観」なのです。「美しい」と言った人の「感じ」ね。

 「美しい日本」も、誰が言ったか知りませんが、その人の「美しさ」と他の人の「美しさ」が一致するとは限らない。ヘタをすると「正反対」かもしれない。

 加えて、やっかいなことに「日本」という言葉。これも「観念」です。国民なのか、国土なのか、文化なのか。好きなように受け取ってくださいね、フフフ。って感じ。ズルいぞ。

 その点「強いアメリカ」はちょっと違う。「強い」は「美しい」ほど主観ではありません。「勝つ」という客観がつきまとう。

 じつはこれ、広告のコピーでよく使う手でございまして。消費者に勝手に「メリット」をイメージしてもらい、まあ、責任は取らないという。

by ukiyo-wasure | 2017-05-20 12:05 | 言葉 | Comments(0)
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