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北斎の奇想は「見立て」

 こうやって見てくると北斎さんの構図の秘密は「見立て」ですね。「滝シリーズ」もありますが、これも変なのです。「見立て」と見ればスグに解ります。画集の5枚だけですが、北斎さん、これってキノコですよね。タキ→タケのダジャレでしょ。まずは見た目から「アミガサタケ」
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ツキヨタケ。月見をしていますからね。
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ワライタケ。
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右下のアップです。ワザとらしい藁屋根の住居。藁居=ワライ。
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シイタケ
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この人は「詩仙」と呼ばれている李白さん。有名な詩が「白髪三千丈〜」。この滝がそういうことです。「詩意」を表現したというわけ。12/27訂正します。「飛流直下三千尺、疑ふらくは是れ銀河の九天より落つるかと」の方ですね。
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ホコリタケ 画面の石垣のようにコロコロしたキノコです。調べてみてね。左上の方にホウキで掃いている人がいる。ホコリが立ちそうです。
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 絵を見て、真っ先に気になるのが、このうずくまる人。意味がないワケがないのです。滝の場所は赤坂の溜池あたり。はい、ここに妖怪話があります。雨の日にうずくまっている女が出る。瘴癘(熱病)の精なんですね。出会った者は翌日、瘧(おこり)を煩います。オコリ=ホコリでございます。
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これだって、スイカを描こうとしたのではないかもしれない。「かはたれどき(彼は誰時)」から「皮垂れ」の着想かもしれないのです。そうなると「不思議な西瓜の絵だなあ」といくら眺めていても絶対に理解できないでしょう。 
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庖丁の銘です。何か意味があるのでしょうか。読めない!「寅」なら「寅の刻印=寅の刻」明け方4時ですから、まさしく「かわたれ時」なんですけど。
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by ukiyo-wasure | 2016-12-20 16:57 | 美術 | Comments(0)
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