江戸っ子の美意識です。上方では粋をスイと読んで意味が違う。イキとは何なのか。志ん生師匠など東京の落語が好きになると、どうしてもこのことが気になる。ビートたけしさんもこのことについて書いております。九鬼周造「“いき”の構造」を読んだけどさっぱり解らないと書いてありました。私も読んだけど解らなかった。ただ、どうも「上品」とは違うってことは解った。
先日読んだ池部良さんのエッセイに、粋とは「ほどほど」であると書いてあって目からウロコでした。池部さんのお父さんがチャキチャキの江戸っ子で、粋にこだわった生き方をしていたらしい。「ほどほど」とは、やり過ぎて台なしにしないということです。 だからね、テレビでお寿司の大食いなんかやっておりますが、あんなのは野暮で目もあてられない。お寿司はパクパクッとつまむ程度の食べ方が粋なんです。ソバの上に具として、ウニやイクラやアワビや、さらにフォアグラまでのせて出すテレビの料理人。出演者は「わぁー、すごい贅沢!」とかなんとか言わされて食べる。こういうのは粋の真逆ね。江戸っ子がみたらテーブルごとひっくり返す。 ダダだからといってどっさり持ち帰らない。仕事もお金も一人占めしない。喧嘩も相手に致命傷を与えない。つづらは小さい方をいただく。組み体操のピラミッドは五段でいい。十段つくっていい所を見せようという根性がヤボを通り越してゲスの極み。教室に書いて貼っておいてはどうでしょう「ほどほど」。
by ukiyo-wasure
| 2016-02-24 14:57
| 言葉
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