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私小説は諸刃の剣

 私小説はあくまでも小説であって、告白本でも随筆でもない。所詮は作り話です。
 ところが、西村賢太さんのアマゾンでのレビューを読んで笑っちゃいました。主人公=西村さんとして、登場人物である女性にちゃんとお金を返したのか!と怒っている人がいた。いやいや、小説ですから。
 しかし、私小説というものは「現実を書いている」というのを売りにしているからややこしい。読者のスキャンダル趣味を利用しているといえなくもない。でなきゃ他人の日常生活なんぞに、誰が興味を持つ?
 で、西村さんは、テレビでおっしゃっていました。
「こんなダメなヤツもいるんだと読者に思ってもらいたい」
 エラい!自分の弱さや悪さと正面から向き合うのは、なかなかできることではありません。だからこそ人気があるのでしょう。
 ところが、読者の「真実だろう」という思い込みを逆手にとって、登場人物=実在する人たちを貶めることも可能です。
 この嫌な感じに気づいたのは、平林たい子という人の小説です。私小説ですから、登場人物全員が誰であるかは解っている。全体のストーリーは、ほぼ事実に基づいて書かれている。しかーし、そこに挿入された、彼女だけが目撃したというエピソードにひっかかった。
「黒の時代」という小説で伊川=葉山嘉樹が、友人のサイフからお金を抜き取るシーンです。ほとんどの読者は、へえー、葉山ってこういうことをする人だったんだ。と思ってしまうに違いない。これが作り話だとしても、あくまでも小説ですから、作者は責められる筋合いもないわけです。
 このシーン以外にも、かなり悪意すら感じさせられる表現が随所に出て来る。身体的な特徴を客観的に描写する風を装って、その実、貶めているのね。
 平林たい子という人は、西村さんとは逆で、とにかくまわりの登場人物の悪口が見事。自虐ではなく他虐。こんな言葉はないか。よほど当時の世の中に恨みがあったのだろうと思われる。
「黒の時代」は戦後に、当時を振り返って書いたもので、葉山嘉樹はすでに死んでいる。だから事実じゃなくても苦情がくる心配はない。けれども奥さんや子どもたちは存命です。なぜワザワザ、そういう人たちをイヤな気持ちにさせることを書いたのか。そこが文学だ芸術だといわれれば、それまでですが。これ、男性作家でも許されるんでしょうか?たとえ、お金を抜き取ったのが事実だとしても、書いた作家の方が、人格的に問題ありと思われやしませんか?
 詐欺やいかがわしい宗教なども、99%の真実を言って信じ込ませ、残りの1%のウソで騙すらしいですね。



 ◎販売中の「ナンプレJOY」(学研)に「連番禁止ナンプレ」が初登場です!難問もありますので、もし、「連番禁止」の解き方が解らないという方は、コメントくだされば解説させていただきますので、お気軽にどうぞ。


「連番禁止ナンプレ」の解説

「連番禁止ナンプレ」のルールは、スタンダードなナンプレと同じように1〜9までを一つずつ入れますが、さらに上下左右に連続する数字はNG! 2・3や7・8はダメ! 1・9はOKです。最初の問題盤面は6月26日に。

The rule of the consecutive-numbers prohibition SUDOKU.
Consecutive numbers, such as "2, 3", "7, 8", must not adjoin each other in all directions.

Ruehl
Un nombre continu ne doit pas avoisiner.
Par exemple, c'est "1, 2", "7, 8", etc
.


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コレを解かずしてナンプレを語るなかれ。「連番禁止ナンプレ」。なか見検索できます↓

http://www.amazon.co.jp/dp4905295068/


 生活情報誌“ちゃんと”のホームページで「連番禁止ナンプレ」を紹介しています。パズルファンの方はお訪ねください。↓
http://chanto.biz/number-place/number-place.html

 マグナム・ハートのパズルコーナーあります。「魚沼よみうり」
http://www.uoyomi.jp/


by ukiyo-wasure | 2013-07-05 22:29 | 詩・文芸 | Comments(0)
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