妄想だ。病院へ行け!……といわれることを承知で書きます。 ウィキにもありました。京都での花見のシーンが「細雪」からの引用だと。これです。 今は「まことに、ここの花をおいて、京洛の春を代表するものはないと言ってよい。」 「細雪」(上)十九章にあります。 彼女たちがいつも平安神宮行きを最後の日に残して置くのは、この神苑の花が洛中に於ける最も美しい、最も見事な花であるからで、円山公園の枝垂桜が既に年老い、年々に色褪せて行く今日では、まことに此処の花を措いて京洛の春を代表するものはないと云ってよい。 この後に、 京洛の花時の人の出盛りに、一つの異風を添えるものは、濃い単色の朝鮮服を着た半島の婦人たちの群がきまって交っていることであるが、今年も渡月橋を渡ったあたりの水辺の花の蔭に、参々伍々うずくまって昼食をしたため、中には女だてらに酔って浮かれている者もあった。 「古都」にこんな描写が。 朝鮮の六七人の女たちが、朝鮮の服で、朝鮮の太鼓をたたいて、朝鮮の踊りを踊っていた。 その前に、スカシで「源氏物語」が入っています。 「古都」よ、お前もか!なのです。 表の意味で入っているのが「横笛」「幻」「鈴虫」「葵」「蝶」……。京都が舞台だから偶然「平安時代」が重なるとの反論もございましょう。 なので、置いておきます。 「古都」のラストです。 「雪」が降ってくる。「淡雪」といい、「粉雪」という。 引用します。 ほんとの粉雪は、よなかに、降ったりやんだりしたらしく、今はちらつき、冷える朝だった。 ところで皆さま、「細雪」ってどんな雪ですか? 広辞苑には、 こまかに降る雪。また、まばらに降る雪。 他にも意味深な表現がいっぱいあります。 「堕落」「捨てられていた」など、ひっかかるキーワードが多い。 私は、谷崎は数作品しか読んでいません。 ファンで全集を読んだ方、ぜひご確認を。 川端先生、睡眠薬乱用のため、 「『古都』執筆期間のいろんなことの記憶は多く失われていて、不気味なほどであった。『古都』になにを書いたかもよくはおぼえていなくて、たしかには思い出せなかった」 だそうです。
by ukiyo-wasure
| 2018-03-06 13:39
| 詩・文芸
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