ほとんどの日本人は、俳句に興味がない

 私が俳句というか、其角に興味を持ったのは、クロスワードのカギのためです。

 斬新な切り口をさがしてのことです。 

 江戸川柳も読みました。かなり役に立ちました。

 簡潔で引き締まった表現は漢詩ですね。 

 みんな仕事の一部として読んだわけです。 

 パズル作家になりたての頃は、俳句なんてまったく知りませんでした。 

 パズル誌の編集長と俳句についてしゃべったときにね、彼いわく


 「ほとんどの人は“古池や”の句しか知らないよ」


 同感でした。私自身、そうでしたから。 

 今、「1973年のピンボール」を読んで、村上春樹さんの「孤独」をヒシヒシと感じます。20代で、延々と其角や芭蕉や和歌を読み解く日々。  

「風の歌」には、十代であの古典の秘密を知って、一週間口が聞けないほどだったと書いてあります。 

 ちなみに太宰は「酒をがぶ飲み」です、「富嶽百景」によると。

 私が深沢の真相を知ったのが去年の春、まだ一年半しかたっていない。 

 人生の晩年ですから、しみじみと…この国に失望いたしましたが、若い時に知らなくて良かった思いましたね。 

 この感じ、体験者しか解らないでしょう。 

 村上春樹さんは「風の歌」から四十年。

 いつから「やれやれ」が登場し出したのでしょう。

 未だに「源氏物語」も「奥の細道」も「百人一首」も谷崎も深沢も、北斎も写楽も、たぶん中也も……死んだまま。 


 そして、相変わらず、ほとんどの日本人は「古池や」くらいしか知らない。 
 その「古池や」の句意を、誰も納得のいく説明ができない。

 たぶん文部科学大臣にも無理でしょう。



  秋ふかき 隣は何を する人ぞ


 この句だって、私が意味を知ったのは最近です。

 深沢の「お笑い強要寄席」と、村上春樹さんの「1Q84」から。

  脛浮かし 隣は何を する人ぞ

 その心は、

 となり=「と」が金になる。金になる=気になる


 古文の先生も「むべ山風」「都のたつみ」の句のどこが素晴らしいか説明できない。 

 自分が解らないことを教えるって、理系じゃあ、ありえない。   

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by ukiyo-wasure | 2017-11-28 20:48 | 古川柳・俳句 | Comments(0)
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