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いなおほせどり

 「源氏」を読み解くには「古今和歌集」が不可欠と、今頃気づきました。式部姐さんの歌は、本歌が古今集というのが多い。それで岩波文庫を買いました。

 「呼子鳥」「百千鳥」そして「いなおほせどり」。この三つが謎の鳥だそうで。そんなバナナ。先生方、お願いしますよ。
 まあ、いいんですが。前の二つは置いとくとして。「いなおほせどり」はね、第六感でいくと「否仰せ鳥」でしょう。「否」は「イヤなこと」それを言って来る鳥。「仰せ」ですから、高飛車に来るにちがいない。

 わがかどにいなおほせどりの鳴くなへに
       けさ吹く風に雁はきにけり

 山田もる秋のかりほにおく露は
       いなおほせどりの涙なりけり


 以上は古今集の歌ね。これは、借金取りか税収人のような人でしょう。下は、取立てる方も「涙ながら」ということ。勘ですが。そしてね、ハッとなったのでございます。もしや!なのです。

 其角の句です。

  もどかしや 雛に対して 小盞(こさかずき)

 雛祭りで、小さな盃でお酒を酌み交わすのはもどかしい。それが表の解釈。雛(ひな=いな)が「いなおほせどり」つまり借金取りのことだとしたら、小盃はどうなるでしょう。ヒラメキませんか?小盃とはオチョコのこと。

 雨の中、向うから借金取りが来た。突風で傘がオチョコ。顔が隠せない。アセればアセるほど、傘は元に戻らない。

 
 さて、そうなると。かの有名な「奥の細道」冒頭の句。

  草の戸も 住みかわる代ぞ 雛の家

 雛が借金取りとしますと、差し押さえられたことになる。

by ukiyo-wasure | 2017-03-28 23:11 | 詩・文芸 | Comments(0)
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