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小説より奇なり

 図書館で谷崎の全集の中の一冊を借りてきて「魚の李太白」を読んでおりました。前に借りた人が挟んだのでしょう、数年前のスーパーのレシートがヒラヒラ〜。
 まあ気にしないで脇に置いて「魚の李太白」を読了。さすが谷崎はすごいなあ。読んだ方も多いでしょうが、婚礼の祝いでもらったヌイグルミの鯛を、お嫁さんがほどこうとしたら「やめてください」と喋る話です。この鯛、じつは李白。お嫁さんは姑にいわれて、本意ではないけどほどいて着物の裏にしようとした。思いとどまって、姑には内緒で長持の底へ隠します。
 題名の「魚の李太白」にも、よく見ると鯛が隠れています。李太白の太。つまり「隠れ鯛」。
 なーるへそ!と感心していてはいけません。本当はね「隠れた意」なのでございますから。
 と、ひねくれた、疑い深い読み方をしておりまて、ふと、さっきのレシートが気になりました。いまどき谷崎の全集を読もうという人はどういう人なのかと。
 何を買っているかといいますと、歌舞伎揚、牛乳、しらたき、ナス、天然ぶりときた。まあ、主婦かなあ。で、最後の一品です。「大根 キーボード用」。
 なんですか、これは。大根はブリとの組合せでわかる。キーボード用の大根とは、これいかに。

 谷崎の小説の謎は解けましたが、この謎はいまだ謎のままです。

by ukiyo-wasure | 2016-08-25 13:26 | 日常 | Comments(0)
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