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何処をねぐらの 今日の宿

 浪曲は浪花節ともいう。「ちょんがれ節」といっていた時代もあったらしい。
 この「ちょんがれ」の意味、辞書にもネットにも出ていない説で、加太こうじさんの「日本のヤクザ」という本に“帳外(ちょうがい)”の訛り。すなわち人別帳から外されることとある。ちょんがれ、ちょぼくれ、津軽のじょんがら。みんなこのアウトサイダー的意味だとすれば、妙に納得できるのでした。
 徳川夢声が、尾崎士郎との対談で書いています。

 “二人とも大方のヒンシュクされる浪花節が好きらしい。なるほどナニワブシは決して高尚上品にあらず、然し、私は力一杯に、自分勝手に世界無比の発声法で唄う浪花節に、天丼の如き、駄菓子の如き、好もしさを感ずる、……”

 そう、駄菓子。ハイソなご家庭の坊ちゃん嬢ちゃんは「あんな着色料がついたものダメ。むき出しで串に刺さったイカなんか、もうバイキンだらけだからダメ」なわけで。
 
 脱線です。帳外者とは。

 悪事をなし、あるいは家出して長期に渡り帰宅しないことにより、親類村役人より願い出て人別帳よりその記載を外してもらった者。無宿という。/江戸時代用語考証事典

 いやいや、ハナっから人別帳に載っていない人はかなりいるでしょう。

 香具師、旅芸人、渡り衆、サンカ、ジプシー、ボヘミアン、天才バガボンド…。
 だけど、すべての芸能の源ってこういうところにない? 
 ヨーロッパのある放浪の民いわく「一カ所に長く留まっていると魂が腐る」
 ふーむ。ほとんど家から出ない私の魂は腐りきっているってことだね。頭痛の原因は、そうか、メタンガスか。

 

  
 
by ukiyo-wasure | 2012-01-10 14:23 | 浪曲 | Comments(0)
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